1.第58回多摩地区各市町村同和問題意見交換会が5月13日、立川市役所で開かれた。
2.部落解放同盟東京都連合会は、部落差別解消推進法や情報流通プラットフォーム対処法を踏まえ、自治体の基本方針、啓発、相談支援の整備を訴えた。
3.土地差別調査やネット上の差別書き込みに対応するため、職員研修を外部派遣にとどめず、内部の悉皆研修として行う必要性が示された。

第58回多摩地区各市町村同和問題意見交換会がこのほど、立川市役所で開かれた。部落解放同盟東京都連合会によると、開会にあたり、幹事市である立川市の酒井大史市長があいさつし、都連からは飯塚康浩執行委員長、宮瀧順子国立支部長があいさつした。多摩地域の自治体が、同和問題に関する啓発、職員研修、相談対応を共有する場となった。
会合では、近藤登志一都連書記長が問題提起を行った。近藤書記長は、部落差別解消推進法の施行から10年を迎えること、「全国部落調査」復刻版裁判で「差別されない権利」に関する判断が示されたこと、情報流通プラットフォーム対処法が施行されたことに触れた。そのうえで、自治体に対し、差別は許されないとの姿勢を基本方針に明記すること、学校教育や社会教育、人権啓発で部落問題を扱うこと、ホームページで差別禁止の考え方を示すこと、同法に基づく削除申請の相談・支援窓口を設けることを求めた。
部落差別解消推進法は、2016年12月16日に施行された法律で、現在も部落差別が存在し、情報化の進展により状況の変化が生じていることを前提に、国と地方公共団体に相談体制、教育・啓発、実態調査などの施策を促す。法務省も、インターネット上で差別を助長する書き込みが行われる事案を、同和問題をめぐる課題の一つとして示している。今回の意見交換会で削除申請や相談支援が論点になったのは、差別的投稿への対応が、従来の啓発事業だけでは処理しきれない段階に入っているためである。
各市町村からは、2026年度に実施予定の市民向け、職員向けの啓発事業や研修について報告があった。市民向けでは、人権週間に合わせた講演会やパネル展示が目立ち、職員向けでは、職員研修所や東京都の研修を活用する自治体があるとされた。啓発事業は住民の理解促進に資するが、行政窓口や電話で部落の所在地を尋ねる土地差別調査への対応では、窓口職員を含む全職員が同じ基準で答えられる体制が必要になる。
小島正次国立支部書記長は最後に、職員研修について、外部研修への派遣だけでなく、内部での悉皆研修として部落問題に特化した研修を行うよう求めた。あわせて、ネット上の差別書き込みを削除申請につなげるためのモニタリング事業にも言及した。多摩地区各市町村同和問題意見交換会で示された課題は、部落差別解消推進法に基づく自治体施策を、講演会中心の啓発から、相談、削除申請支援、職員対応基準の整備へ広げる必要を示している。
部落解放同盟東京都連合会
URL:https://blltokyo.net/DouwaGyousei/tamaren58.html

