三重県、不登校保護者向けAI相談「ひだまり」開始へ

この記事のポイント

1.三重県教育委員会は、AIチャットを活用した不登校相談窓口「ひだまり」を7月21日に開設する。
2.対象は三重県内の不登校の子どもの保護者で、匿名・無料で24時間利用できる。
3.初期相談の入口を広げる一方、AI相談と専門機関への接続をどう組み合わせるかが課題となる。

三重県のイメージ図

三重県教育委員会は2026年7月21日、AIチャットを活用した不登校相談窓口「ひだまり」を始める。利用対象は三重県内の不登校の子どもの保護者。事業期間は2027年3月25日までで、スマートフォンなどから専用サイトにアクセスし、利用登録をしたうえで相談内容を入力する。相談は無料で、24時間利用でき、匿名での利用も可能とする。

三重県教育委員会事務局生徒指導課不登校支援班によると、保護者の中には「どこに相談すればいいかわからない」「相談窓口で専門の方に話すのは気が引ける」「誰かに話を聞いてほしいけど、身近に話せる人がいない」といった悩みを抱える人がいる。県教育委員会は、児童生徒だけでなく保護者への支援も必要だとして、保護者が相談しやすい仕組みの一つとしてAIチャット型の窓口を設ける。この事業は、県民からの提案をもとに今年度新たに行う事業だという。

利用手順は、二次元コードやURLからサイトにアクセスし、「AIチャット相談をはじめる」をクリックする。続いてニックネームやパスワードを登録し、保護者・家族や居住市町を選択したうえで、利用規約に同意して相談内容を入力する。二次元コードとURLは7月21日以降、三重県の当該ページに掲載される。相談状況に応じて、県や地域の教育、福祉、医療などの機関の情報を得られるようにすることが目的とされている。

不登校支援を人権の問題として見る場合、中心になるのは、子どもの学ぶ権利と、家庭だけに負担を閉じ込めない支援体制である。不登校は、学校に戻るか戻らないかという単線的な問題ではなく、心身の状態、家庭環境、学校との関係、地域資源へのつながり方が重なって生じる。保護者が早い段階で相談できなければ、子ども本人の困難も見えにくくなる。24時間利用できる匿名の初期相談は、窓口に行く前の心理的な段差を下げる手段になり得る。

同時に、AIチャットは相談の入口であって、支援そのものを完結させる仕組みではない。相談内容には、学校との調整、医療的な相談、福祉サービス、家庭内の緊張、子どもの安全に関わる内容が含まれる可能性がある。情報提供にとどまる場合と、専門職や自治体窓口につなぐ必要がある場合を分け、保護者が孤立したまま画面上の回答だけを受け取る状態を避ける設計が欠かせない。匿名性を確保しつつ、必要時には三重県教育委員会や地域の機関に接続できる導線が実務上の要点となる。

問い合わせ先は、三重県教育委員会事務局生徒指導課不登校支援班。電話は059-213-6611で、受付は平日午前8時30分から午後5時まで。メールアドレスはseishi@pref.mie.lg.jp。三重県教育委員会は7月21日以降、相談窓口「ひだまり」へのアクセス方法を県公式ページに掲載する。

出典

三重県「AIチャットを活用した不登校相談窓口『ひだまり』を始めます」
URL:https://www.pref.mie.lg.jp/TOPICS/m0045700160.htm

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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