1.世田谷区は、子どもの権利条例と子ども・若者総合計画に関するパブリックコメント実施結果を公表した。
2.子どもの権利条例素案には83件、子ども・若者総合計画第3期素案には32件の意見が寄せられた。
3.条例は2025年4月施行済みで、子どもの意見表明と参加を区政に反映する仕組みが焦点となる。

世田谷区子ども・若者部子ども・若者支援課は2026年6月11日、「世田谷区子どもの権利条例(素案)」と「世田谷区子ども・若者総合計画(第3期)(素案)」に関するパブリックコメントの実施結果を区ホームページに掲載した。いずれも2024年9月15日から10月15日まで意見を募集したもので、子どもの権利条例素案には83件、子ども・若者総合計画第3期素案には32件の意見が寄せられた。
世田谷区は、2001年12月に23区で初めて「世田谷区子ども条例」を制定した自治体である。2012年には子どもの人権擁護機関「せたがやホッと子どもサポート」を設け、2025年4月には同条例を改正して「世田谷区子どもの権利条例」として施行した。今回公表された意見募集結果は、条例改正と、条例の下で進める子ども・若者施策の計画化に至る手続を示す資料となる。
条例改正の特徴は、名称に「権利」を明記し、子どもの権利条約の4つの一般原則に加え、子どもたちが特に大切にしたいと考えた権利を条文に盛り込んだ点にある。世田谷区は、子ども条例検討プロジェクトで子どもたちが検討した意見を、前文、目標、子どもの権利に反映したとしている。行政が子どもを単なる保護対象として扱うのではなく、意見を表明し、地域や区政に関わる主体として扱う姿勢を制度文書に落とし込んだ形である。
子ども・若者総合計画第3期は、2025年度から2034年度までの10年間を計画期間とする。妊娠期から乳幼児期、学童期、思春期、若者期までを切れ目なく扱い、子ども・子育て支援、次世代育成、子どもの貧困対策、子ども・若者育成支援などを一体的に整理する計画である。世田谷区は、同計画を「世田谷区子どもの権利条例」の推進計画とし、こども基本法に基づく自治体こども計画としても扱う。
子どもの権利をめぐる自治体施策では、理念を掲げるだけでは実効性が限られる。学校、児童館、相談窓口、子育て支援、若者支援、貧困対策などの施策に、子どもの声をどう反映させるかが問われる。世田谷区が「子ども・若者の声ポスト」や子ども条例検討プロジェクトを用いた点は、意見表明権を形式的なアンケートにとどめず、条例や計画の作成過程に接続しようとする試みといえる。
公表ページでは、条例素案への区民意見と区の考え方、子どもの権利条例案、子ども・若者総合計画第3期案、子ども・若者の声ポストの結果を確認できる。問い合わせ先は、世田谷区子ども・若者部子ども・若者支援課で、電話番号は03-5432-2528。区は今後、2025年4月施行の子どもの権利条例と、2025年度から始まった子ども・若者総合計画第3期をもとに、子どもと若者の参加を含む施策運用を進める。
世田谷区「世田谷区子どもの権利条例(素案)・世田谷区子ども・若者総合計画(第3期)(素案)のパブリックコメント実施結果」
URL:https://www.city.setagaya.lg.jp/02236/18318.html
出典 世田谷区「世田谷区子どもの権利条例」
URL:https://www.city.setagaya.lg.jp/02236/23496.html
出典 世田谷区「世田谷区子ども・若者総合計画(第3期)(令和7(2025)年度~令和16(2034)年度)」
URL:https://www.city.setagaya.lg.jp/02236/23479.html

