ビジネスと人権

ビジネスと人権

企業活動は、雇用、労働環境、取引、調達、顧客対応、地域社会との関係など、多くの場面で人権に影響を及ぼします。そのため、ハラスメントや不当な差別、労働現場での権利侵害、取引先やサプライチェーンにおける人権問題などを防ぎ、人権を尊重した事業活動を行うことが重要です。今日では、企業は利益を追求するだけでなく、その活動の中で人権への負の影響を把握し、予防し、軽減し、適切に対処することが求められています。これは大企業だけの課題ではなく、日本で事業を行う全ての企業に関わる重要な人権課題です。

「ビジネスと人権」のポイントは、企業による人権侵害を、単なる不祥事対応や法令遵守の一部としてではなく、事業活動そのものに組み込まれた課題として捉える点にあります。問題は、自社の内部だけにとどまりません。採用や配置、職場のハラスメント、長時間労働、取引先への過度な圧力、調達先での劣悪な労働環境、製品やサービスが利用者や地域社会に与える影響など、企業活動の広い範囲で人権への悪影響が生じ得ます。このため政府は、企業に対し、人権デュー・ディリジェンス、すなわち人権への負の影響を特定・評価し、予防・軽減し、対処し、情報共有する一連の取組を進めることを期待しています。人権を尊重する経営は、企業価値や信頼性の向上にもつながる一方、人権を軽視する経営は、社会的信用の失墜や取引上の不利益にも直結し得ます。したがって「ビジネスと人権」は、企業の社会的責任にとどまらず、持続可能な経営の基盤そのものといえます。

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