1.こども家庭庁は、令和8年4月1日時点の「こども家庭センター」設置状況を公表した。
2.設置済みは1,496自治体、設置率は85.9%。未設置は245自治体で、全国の設置箇所数は1,683箇所。
3.母子保健と児童福祉を一体的に扱う体制整備は、妊産婦、子育て世帯、こどもへの切れ目ない支援に関わる。

こども家庭庁は2026年6月8日、令和8年4月1日時点の全国1,741市区町村における「こども家庭センター」の設置状況を公表した。設置済みの市区町村は1,496自治体で、全国の85.9%。未設置は245自治体で14.1%だった。全国の設置箇所数は1,683箇所で、政令指定都市の行政区など、複数箇所を設けている自治体もある。
全自治体が設置済みとなった都道府県は、栃木県、神奈川県、富山県、石川県、福井県、福岡県、熊本県の7県。共同設置した自治体としては、高知県の中芸広域連合が挙げられており、奈半利町、田野町、安田町、北川村、馬路村が含まれる。未設置245自治体のうち、2026年度中に設置予定としている自治体は97自治体で、未設置自治体全体の39.6%を占める。
こども家庭センターは、母子保健と児童福祉の両分野を一体的に運営するための市町村の拠点である。全ての妊産婦、子育て世帯、こどもに対し、出産前から子育て期までの切れ目ない支援を行う。支援を要するこどもや妊産婦等へのサポートプランの作成、民間団体と連携した地域資源の開拓なども担う。
制度面では、令和4年に改正された児童福祉法等により、令和6年4月から市町村はこども家庭センターの設置に努めなければならないこととされた。政府の「こども未来戦略」でも全国展開を図る方針が示されている。こども家庭庁は、令和8年度末までの全市町村設置を目指し、都道府県とともに未設置自治体への伴走支援を行うとしている。
人権上の論点は、支援を必要とする家庭を早期に把握し、妊娠期、出産、乳幼児期、学齢期の相談を分断しない体制を地域で整えられるかにある。虐待、貧困、孤立、障害、ヤングケアラーなどの課題は、家庭の中で複合的に現れる場合がある。窓口が分かれていると、相談者が何度も事情を説明しなければならず、支援につながる前に負担が増すことがある。
設置率85.9%という数字は、制度の全国展開が進んでいることを示す一方で、245自治体ではセンター設置が残っていることも示している。こども家庭庁支援局虐待防止対策課は、令和8年度末までの全市町村設置に向け、未設置自治体での設置支援を進める。今後は、設置の有無に加え、こども家庭センターが地域の医療、福祉、教育、民間支援団体とどのように接続し、相談から支援までを動かせるかが問われる。
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