
徳島県は、令和8年度「フレアキャンパス企画委託事業」の提案募集を開始した。パーク テレコメディア(徳島県立男女共同参画総合支援センター)を、よりよい交流や活動の拠点とするため、県民の新たな視点や手法による講演・講座等の事業提案を募る。募集期間は2026年5月1日から6月5日までで、提案審査は6月、実施期間は7月1日から2027年2月28日まで。事業報告は2027年3月15日までとされている。
募集は、団体からの提案型である事業内容Aと、県からの募集型である事業内容Bに分かれる。Aは「男女共同参画を進めるための支援」をテーマに、ワーク・ライフ・バランス、DV防止の啓発、地域で男女共同参画を推進するリーダー養成などを想定し、3事業程度、1事業12万円を上限に募集する。Bは「あらゆる分野で女性が活躍できる社会づくり」「ダイバーシティ実現を目指す意識改革」「男女共同参画の視点に立った防災・減災に関する意識啓発」をテーマに、4事業程度、1事業17万円を上限に募集する。
具体的には、アンコンシャス・バイアスの解消、女性のキャリアアップや復職・再就職支援、女性の参画が少ない分野での活躍促進、職場におけるハラスメント防止、男性の家事・育児・介護や地域活動への参画促進、多様な性への理解、多様な働き方と労働環境の整備、防災組織におけるリーダー養成などが例示されている。男女共同参画を、女性支援だけでなく、職場、家庭、地域、防災、性の多様性を横断する課題として扱っている点が特徴である。
応募できるのは、任意団体、NPO法人等で、団体運営に関する規約を持ち、予算・決算・事業報告を的確に行っている団体である。営利活動、宗教活動、政治活動を目的とする団体は対象外で、国、県、市町村、他の機関から助成等を受けている事業も対象外とされている。提案団体は、事業の企画、広報、実施、報告等を担い、県は事業委託、県関係広報媒体の活用、施設・設備の提供や紹介などで支援する。審査では、男女共同参画の視点、企画内容・手法の妥当性と実効性、予算の妥当性、団体の信頼性が評価される。
人権の観点から見ると、この事業は、男女共同参画を行政主導の啓発にとどめず、地域団体やNPOの実践につなげる仕組みである。DV防止、ハラスメント防止、性の多様性への理解、女性の就労継続、防災分野での女性参画は、いずれも差別防止、暴力からの保護、意思決定への参加、働く権利、地域で安心して暮らす権利に関わる。特に地方では、固定的な性別役割分担や地域活動における慣行が、女性や若者、性的少数者の参加を妨げる場合がある。県民提案型の事業を通じて、地域の実情に即した講座や啓発を実施できるかが、男女共同参画施策の実効性を左右する。
今回の募集は、団体にとっては、自らの問題意識を県の男女共同参画施策と結び付け、地域に開かれた学習機会として具体化する機会となる。行政にとっても、県民の実感に根ざしたテーマや手法を取り入れることで、従来の講演会型啓発だけでは届きにくい層へ働きかける契機となる。今後は、採択事業が一過性の講座に終わらず、参加者の行動変容、職場や地域での実践、相談支援や防災体制の見直しにどうつながるかが重要となる。

