1.笹川ハンセン病イニシアチブとFELEHANSENは5月5日、コロンビア西部カリ市で募金・啓発イベントを開いた。
2.ハンセン病当事者約30人を含む約130人が参加し、1,000万コロンビア・ペソ、約50万円を集めた。
3.当事者団体が地域支援とアドボカシーを担うモデルとして、人権啓発と資金調達を結び付けた取組となる。

笹川ハンセン病イニシアチブとコロンビアのハンセン病当事者団体FELEHANSEN(フェレハンセン)は5月5日、コロンビア西部のカリ市で募金・啓発イベントを共同開催した。テーマは「Contigo, Nadie queda atrás(あなたと共に、誰一人取り残さない)」。ハンセン病当事者約30人を含む地域住民、医療関係者ら約130人が参加し、病気への理解促進と地域での支援拡大を呼びかけた。
イベントには、2025年ミス・スプラナショナルのブラジル代表エドゥアルダ・ブラウム氏と、コロンビア代表のダニエラ・ロルダン氏も参加した。入場料、個人からの寄付、オリジナルグッズ販売などにより、目標額を上回る1,000万コロンビア・ペソ、約50万円を集めた。資金は、FELEHANSENがコロンビア各地で進めるハンセン病当事者への地域支援活動とアドボカシー活動の強化に充てられる。
当日のプログラムは、FELEHANSENのメンバー、ユラニ・グラナダ氏によるライフストーリーの共有から始まった。ハンセン病当事者として経験した偏見や差別、そこから歩みを進めてきた経過が語られた後、地域保健当局、病院、大学、宗教関係者、ミス・スプラナショナルの両代表、笹川ハンセン病イニシアチブの代表が参加するパネルディスカッションが行われた。会場では「Desfile Sin Etiquetas(ラベルのないファッションショー)」も実施され、当事者、地域住民、ミス・スプラナショナルが同じランウェイを歩いた。
ハンセン病をめぐる課題は、医療だけで完結しない。世界保健機関(WHO)は、ハンセン病を多剤併用療法で治療可能な感染症と説明する一方、当事者がスティグマや差別に直面しているとも指摘している。病気が治療可能であっても、外見上の変化や過去の隔離政策、地域社会に残る誤解が、就労、教育、婚姻、地域参加を妨げる場合がある。
今回の取組の特徴は、当事者を支援の「対象」として扱うだけでなく、FELEHANSEN自身が企画、発信、資金調達を担った点にある。イベントの企画・運営では、笹川ハンセン病イニシアチブ・ヤングスカラー・プログラムのスカラー、マイラ・アレハンドラ・ムリージョ・コルテス氏が中心的な役割を果たした。FELEHANSEN会長のルクレシア・バスケス・アセベド氏は、地域主導の取組がコロンビア国内だけでなく他国にも広がることへの考えを示している。
人権上の論点は、啓発活動を「正しい知識の普及」にとどめず、当事者の発言権、組織運営、資金基盤の確保まで含めて設計している点にある。ファッションショーやミス・スプラナショナルの参加は、関心層を広げる手法であり、同時に「病気や社会的なレッテルによって人が定義されるべきではない」というメッセージを視覚的に示す場となった。コロンビア西部カリ市で得た1,000万コロンビア・ペソは、FELEHANSENの地域支援とアドボカシーを支える資金として使われる。
公益財団法人笹川保健財団「支援の輪が広がる コロンビアでハンセン病当事者主導のファンドレイジングが成功」
URL:https://www.shf.or.jp/information/28122

