ウクライナ避難女性の声共有 プランが世界難民の日イベント報告

この記事のポイント

1.プラン・インターナショナルは6月19日、世界難民の日に合わせたオンラインイベントを開き、50名以上が参加した。
2.日本に避難したウクライナ人女性の経験、平和構築への参画、復興に向けた日本とのつながりを議論した。
3.女性避難民を支援の受け手にとどめず、平和構築と復興の担い手として扱うWPSの視点が示された。

彼女たちの声が未来をつくる――ウクライナ女性と考える平和・復興・日本とのつながり

プラン・インターナショナルは2026年6月19日、6月20日の「世界難民の日」を前に、オンラインイベント「彼女たちの声が、未来をつくる~ウクライナ女性と考える平和・復興・日本とのつながり~」を開いた。7月8日に公表した開催報告によると、イベントには50名以上が参加した。日本に避難したウクライナ人女性を対象に同団体が実施・公開した調査結果をもとに、避難先での経験、現在の活動、平和構築への関わり、日本とウクライナの協力の可能性を扱った。

冒頭のセッションでは、「女性・平和・安全保障(WPS)」の考え方から、紛争により国外避難を余儀なくされた女性たちの経験が紹介された。WPSは、2000年に国連安全保障理事会で採択された決議第1325号を基礎とし、紛争予防、和平、復興、人道支援の過程で女性の参画と保護を重視する枠組みである。外務省も、同決議を女性と平和・安全保障を明確に関連づけた初の安保理決議として説明している。

登壇したSofiia Demydenkoさん、Oleksandraさん、Iryna Hrybachovaさんは、長期化する紛争と避難生活が価値観や人生観に及ぼした影響、故郷を離れてもウクライナを支え続ける理由、平和構築に関わる方法について語った。Iryna Hrybachovaさんは、CastGlobalの登録弁護士であり、日本ウクライナ・パートナーシップ協会の共同設立者として、日本側のパートナーにウクライナ法を助言し、ウクライナ企業に日本の法制度を説明する活動に触れた。

イベントでは、避難した女性たちが持つ知識や経験が、日本とウクライナ双方にとって資源になり得ることも議論された。同時に、その多くが現在もボランティア活動に支えられている現状が示され、持続的な復興と協力には、能力を発揮できる機会や仕組みが必要だと整理された。平和構築センターのディレクターである堀場明子氏は、避難した女性たちを支援の受け手だけでなく、復興を担う主体として捉える考え方を示した。

人権上の論点は、避難民女性を「保護される人」としてのみ扱うのではなく、意思決定、復興、国際協力に参加する権利主体として見る点にある。紛争下の女性は、暴力、家族分離、生活基盤の喪失、メンタルヘルスへの影響を受けやすい。他方で、言語、専門性、ネットワーク、避難先で得た経験を通じて、母国の復興や受入国との相互理解に関わる力も持つ。今回の報告は、その二面性をWPSの文脈で示したものといえる。

教育と心理社会的支援についても報告された。プラン・インターナショナルは、ポーランドで実施している「ウクライナ避難民の教育・心のケア」プロジェクトを紹介し、避難した人々のニーズは時間とともに変化しているが、教育と心理社会的支援へのニーズは一貫して高いと説明した。子どもや若者が安全な環境で学び、心の回復を図りながら将来の展望を持てることは、避難生活の長期化に対応する支援として欠かせない。

最後のセッションでは、日本にいるウクライナ人女性や若い世代が、日本とウクライナをつなぐ役割について意見を交わした。ウクライナ国家エネルギー効率・省エネルギー庁の職員で、JICAの研修プログラムにより日本で学ぶAngelina Susloさんは、帰国後に日本での学びをウクライナの公共部門の発展と両国協力に生かしたいと述べた。プラン・インターナショナルの開催報告は、避難民女性の経験を、支援、復興、相互理解を結ぶ課題として記録している。

出典

プラン・インターナショナル「〖開催報告〗世界難民の日イベント『彼女たちの声が、未来をつくる~ウクライナ女性と考える平和・復興・日本とのつながり~』(6/19・オンライン)」
URL:https://www.plan-international.jp/news/20260708_info-120/
外務省「女性・平和・安全保障に関する行動計画」
URL:https://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/pc/page1w_000128.html
内閣府男女共同参画局「女性・平和・安全保障に関する国連安保理決議1325号」
URL:https://www.gender.go.jp/international/int_un_kaigi/int_un_anpori1325/index.html

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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