1.国際子ども権利センター(C-Rights)は、「No ヘイト/Yes 共生」の動画プロジェクトに取り組んでいる。
2.海外ルーツの子ども・若者やアライの声をショート動画として集め、差別に沈黙しない関係づくりを目指す。
3.ヘイト対策では、制度的な啓発だけでなく、当事者の経験を安全に発信できる場の設計が課題となる。

認定NPO法人国際子ども権利センター(C-Rights)は2026年6月6日、「No ヘイト/Yes 共生~みんなでつくる海外ルーツ&アライ動画プロジェクト」に取り組んでいることを公表した。公益財団法人パブリックリソース財団のY’sファンド D&I基金助成事業として実施するもので、日本に暮らす海外ルーツの子どもたちの声や経験、または共に暮らすアライの声と思いを、ショート動画の形で全国から募集する。
同プロジェクトは、ヘイトや差別に沈黙しない関係性と社会をつくるためのアクションを起こすことを目的としている。C-Rightsによると、運営は同団体の活動に関わるユースメンバーが中心となり、毎週のオンライン会議と毎月の対面会議を通じて進めている。現在、運営側として関わる海外ルーツのユースも募集している。
海外ルーツの子どもや若者をめぐっては、国籍、民族、言語、名前、外見、家庭文化などを理由に、学校や地域、インターネット上で排除的な言動にさらされる場合がある。ショート動画による発信は、長い文章では届きにくい経験や違和感を、本人や仲間の言葉で可視化する方法になり得る。ただし、当事者の経験を発信する取組では、本人の同意、匿名性、二次被害の防止、公開後の反応への備えが欠かせない。
制度面では、2016年にヘイトスピーチ解消法が施行され、本邦外出身者に対する不当な差別的言動は許されないとされた。同法は罰則を直接定めるものではないが、国や地方公共団体による相談体制、教育、啓発の取組を促す枠組みとなっている。民間団体による動画プロジェクトは、行政の啓発資料とは異なり、子ども・若者自身が経験を共有し、周囲のアライを増やす実践として位置づけられる。
人権上の論点は、差別を受ける側に「声を上げる負担」を集中させないことにある。海外ルーツの子ども・若者が発信する場合、周囲の大人や支援者は、発信内容を消費するのではなく、本人の安全と尊厳を守る環境を整えなければならない。C-Rightsは、すべての事業において、子ども、ユース、大人を含む関係者の人権が守られるよう、「子ども・若者のセーフガーディング」に基づいて活動を実施するとしている。
今回の「No ヘイト/Yes 共生」プロジェクトは、海外ルーツの子ども・若者とアライが、差別や排除に対してどのような言葉を持ち、どのような関係をつくるかを問う取組である。C-Rightsは、今後もプロジェクトの進捗をブログで発信するとしており、ユースメンバーを中心に動画募集と運営体制づくりを進める。
認定NPO法人国際子ども権利センター(C-Rights)「今年度シーライツは、『No ヘイト/Yes 共生~みんなでつくる海外ルーツ&アライ動画プロジェクト』に取り組んでいます!」
URL:https://c-rights.org/no-hate-yes-kyosei-1/

