アワード-1024x577.jpg)
UN Women日本事務所は、企業・団体によるジェンダー平等と女性のエンパワーメントの取組を表彰する「2026年アジア太平洋WEPsアワード」の募集開始を案内している。WEPsは、UN Womenと国連グローバル・コンパクトが企業向けに策定した「女性のエンパワーメント原則」であり、職場、市場、地域社会においてジェンダー平等を進めるための国際的な行動枠組みである。今回のアワードは、企業が掲げる方針や理念だけでなく、実際の制度、組織文化、調達、技術活用、地域連携などを通じて、どのように女性の参画機会を広げているかを評価するものとなる。
アジア太平洋WEPsアワードは、WEPsに沿った民間部門の実践を可視化する地域的な表彰制度で、企業規模や業種を問わず、アジア太平洋地域で事業を行う民間企業、商工会議所、業界団体、証券取引所などが対象となる。2026年の募集期間は4月21日から6月30日までとされ、応募はオンラインで行う。表彰分野には、リーダーシップ、ジェンダー包摂的な職場づくり、ジェンダー視点を取り入れた市場・商品・サービス、包摂的調達、地域社会との連携、テクノロジーやAIを活用したジェンダー平等、中小企業による取組などが含まれる。
企業にとって女性活躍は、単に女性管理職比率や採用数を伸ばすだけの課題ではない。賃金や昇進機会の公平性、ハラスメント防止、妊娠・出産・育児・介護と仕事の両立、女性特有の健康課題への対応、サプライチェーンにおける女性事業者への機会提供、広告や商品設計における固定的な性別役割分担意識の排除など、事業活動全体に関わる人権課題である。WEPsアワードは、こうした多面的な取組を国際的な基準に照らして整理し、企業の人権尊重責任と経営戦略を結び付ける場として位置付けられる。
日本企業にとっても、WEPsに基づく取組の整理は、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画や情報公表、人的資本開示、サステナビリティ報告、ビジネスと人権の取組と接続し得る。特に、海外展開やサプライチェーン管理を行う企業では、ジェンダー平等を国内の人事施策に限らず、取引先、地域社会、消費者との関係にまで広げて捉える必要がある。応募の有無にかかわらず、WEPsの7原則を使って自社の制度と実態を点検することは、ダイバーシティ施策を「宣言」から「実装」へ移す手がかりとなる。
今回の募集案内は、企業や団体が自らの取組を外部評価にかけ、改善点を確認する機会でもある。表彰を目指す場合には、女性活躍に関する制度の有無だけでなく、利用実績、意思決定層への女性参画、職場の安全性、調達や市場での波及効果、透明性ある情報開示を具体的に示すことが重要になる。ジェンダー平等を人権と企業価値の双方に関わる課題として扱えるかどうかが、今後の企業評価や国際的な信頼にも影響していく。

