
6月15日は世界高齢者虐待啓発デーである。高齢者虐待、ネグレクト、搾取に関する認識を高め、高齢者の尊厳と安全を守る制度や地域支援の必要性を考える国際デーである。虐待は身体的暴力だけでなく、心理的虐待、経済的虐待、介護放棄、本人の意思を無視した対応などを含む。
高齢者虐待は、家庭内、介護施設、地域社会のいずれでも起こり得る。介護負担、孤立、認知症への理解不足、経済的依存、支援サービスへのつながりにくさなど、背景は複合的である。日本では高齢者虐待防止法に基づき、市町村への通報、調査、保護、養護者支援などの仕組みが整備されている。
人権の観点では、虐待を「家庭の問題」として見過ごさないことが重要である。同時に、養護者を責めるだけでなく、介護負担を軽減し、支援につなげる視点も欠かせない。福祉関係者や地域住民には、異変に気付いた際に相談先へつなぐ行動が求められる。6月15日は、高齢者の尊厳を守る地域の仕組みを点検する機会となる。
