1.鳥取県教育委員会人権教育課は6月23日、伯耆町立溝口小学校で車いすバスケットボール体験教室を開く。
2.全国脊髄損傷者連合会山陰支部の福永幸男理事長が「障がいのある人の人権について」をテーマに講演する。
3.今年度は県内の小学校、中学校、高等学校の8校で実施予定で、障害理解と共生社会に向けた人権教育の一環となる。

鳥取県教育委員会事務局人権教育課は2026年6月23日、伯耆町立溝口小学校で、令和8年度障がい者スポーツ体験教室を開く。競技は車いすバスケットボールで、時間は午前10時30分から午後0時20分まで。会場は西伯郡伯耆町溝口309番地の同校で、実施校の児童・教職員に加え、鳥取県車いすバスケットボール協会、全国脊髄損傷者連合会山陰支部、車いすバスケットボール元選手が参加する。
体験教室は、障がいの有無にかかわらず、スポーツの素晴らしさやパラスポーツ競技の魅力を感じることを通じて、障がいや障がいのある人への正しい認識と理解を深める目的で行う。鳥取県教委は、自他を尊重したコミュニケーションなど、育てたい資質・能力の育成にもつなげ、共生社会の実現へ向けた人権意識の向上を図るとしている。単なる競技体験ではなく、人権教育課が所管する授業型の啓発事業である。
当日は、全国脊髄損傷者連合会山陰支部理事長の福永幸男さんが「障がいのある人の人権について」をテーマに30分程度講演する。その後、残りの時間で車いすの操作を学び、車いすバスケットボールのパス、シュート練習、対抗ミニゲームを行う。児童が競技用車いすを実際に操作し、移動、停止、方向転換、味方との声かけを体験することで、日常生活やスポーツ参加に必要な環境のあり方を考える構成となっている。
車いすバスケットボールは、車いすを「制約」ではなく競技の道具として扱う点に教育的な意味がある。参加する児童は、車いすを使う人を支援の対象としてだけ見るのではなく、競技者としての技術、判断力、チームワークに触れることになる。障害理解教育では、知識の説明だけでは固定的な見方が残りやすい。身体を動かし、失敗し、声を掛け合う体験を組み込むことで、障害のある人の社会参加を具体的に考える入口が生まれる。
人権上の論点は、障害を個人の状態だけでなく、環境との関係で捉える視点にある。学校の段差、移動経路、体育活動への参加、友人との関係づくりは、いずれも児童生徒の日常に直結する。車いすの操作やミニゲームを通じて、参加しにくさがどこで生じるのかを児童が実感できれば、合理的配慮やバリアフリーを身近な問題として理解しやすくなる。
鳥取県教委によると、今年度は県内の小学校、中学校、高等学校の8校で同教室を実施する予定で、残りの実施予定校については実施月に報道機関へ資料提供を行う。取材希望者には、事前に学校へ連絡するよう案内している。伯耆町立溝口小学校での6月23日の教室は、福永幸男さんの講演と鳥取県車いすバスケットボール協会などによる体験を組み合わせ、学校現場で障害のある人の人権を学ぶ機会となる。
