1.東京都が7月30日、「地域日本語教育とうきょう推進会議」を対面とオンラインの併用で開催する。
2.オンラインによる自立学習を後押しする仕組みなど、DXを活用した日本語学習環境の整備を協議する。
3.オンライン化では、端末や通信環境、日本語能力に応じた支援、対面教室への接続も論点となる。
東京都生活文化局は7月30日午前10時から正午まで、令和8年度第1回「地域日本語教育とうきょう推進会議」を対面とオンラインの併用で開く。議題は「東京における『地域日本語教育の体制づくり』のあり方を踏まえた学習環境の整備に向けて」。より多くの外国人に日本語教育を届けるため、オンラインによる自立学習を後押しする仕組みなど、DXを使った学習環境について意見を交わす。傍聴はMicrosoft Teamsを使用し、申込みは7月29日正午まで受け付ける。
会議には11人が参加する。武蔵野大学グローバル学部教授の神吉宇一氏、せたがや国際交流センター地域日本語教育コーディネーターの亀井信一氏、インターカルト日本語学校長の加藤早苗氏、NHK国際放送ラジオジャパンのビルマ語アナウンサー、チョウチョウソー氏、北区国際交流・多文化共生推進担当課長の佐藤麻紀氏らで構成する。大学、日本語学校、自治体、地域の日本語教室、外国人材関係企業、教材制作、当事者に近い立場を組み合わせた委員構成となっている。
東京都は2022年度、「東京の地域日本語教育に係る調整会議」を設置し、2024年度に現在の名称へ変更した。会議では、都内の地域事情と在住外国人の実態を踏まえ、日本語教育を区市町村、国際交流協会、日本語学校、地域教室などが連携して提供する体制を検討してきた。2025年末の東京都の在留外国人数は80万1,438人で、全国の19.4%を占め、都道府県別で最も多い。日本語を学ぶ目的や生活時間、居住地域、就労環境が異なる人に、既存の教室だけで対応することが難しい規模になっている。
制度上の根拠となる「日本語教育の推進に関する法律」は2019年6月28日に施行され、地方公共団体に対し、地域の状況に応じた日本語教育施策を策定、実施する責務を定めた。国の基本方針は2025年9月5日に改定されている。文部科学省も、地域日本語教育を、外国人が生活に必要な日本語能力を身に付け、日本社会の一員として暮らすための社会包摂施策として扱い、地方公共団体による広域的な体制づくりや市区町村への支援を補助対象としている。
日本語学習の機会は、行政手続、医療、防災、就労、子どもの教育などに関する情報を理解し、自ら選択して地域生活に参加するための基盤でもある。ただし、オンライン教材を設けるだけでは、学習機会が均等になったとはいえない。端末や通信環境を持たない人、デジタル操作に不慣れな人、文字中心の教材では学びにくい人が利用から外れる可能性がある。自立学習を進める場合も、多言語による利用案内、学習相談、進捗を支える担当者、対面教室につなぐ経路を組み合わせる必要がある。7月30日の地域日本語教育とうきょう推進会議では、東京都生活文化局が、オンラインの利用者数だけでなく、学習を継続できる支援と地域の日本語教室との接続をどこまで整備案に組み込むかが問われる。
東京都「令和8年度第1回 地域日本語教育とうきょう推進会議 開催」
URL:https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/07/2026072701
参考資料 文部科学省「日本語教育の推進に関する法律の施行について」
URL:https://www.mext.go.jp/a_menu/nihongo_kyoiku/kyoiku/suishin_houritsu/1418260.html
参考資料 出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」
URL:https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/13_00062.html
