1.エス・エム・エスが看護師9,574名を対象にした働き方調査を公表した。
2.看護師の56.5%が看護職以外への転職を考えたことがあると回答した。
3.過去1年間にペイシェントハラスメントを経験または見聞きした割合は44.5%だった。

株式会社エス・エム・エスは5月12日、看護師向け人材紹介「ナース専科 転職」などの利用者を対象にした「看護師の働き方に関する意識調査2026」の結果を公表した。調査は2月2日から28日まで、全国の看護師9,574名を対象にWebアンケートで実施したもので、発表では就業中と回答した8,190名の集計結果を中心に示している。
職場に満足を感じている看護師は61.3%で、前年の62.4%からほぼ横ばいだった。看護職以外への転職を考えたことがある人は56.5%に上り、看護職を続けると判断した決め手は「待遇面」が45.9%、「資格・専門性」が44.9%だった。専門職としての資格や処遇が離職を踏みとどまる要因となる一方、半数を超える看護師が別職種への転職を意識した経験を持つことは、医療現場の人材定着に関わる数字といえる。
職場内で不満や悩みを上司に定期的に伝える場がないと答えた看護師は70.3%だった。医療現場では、夜勤、急変対応、患者・家族対応、多職種連携など、緊張度の高い業務が続く。職員が悩みや危険を伝える経路を持たない場合、負担は個人の忍耐に押し込められやすい。働く人の尊厳や安全を守るには、相談窓口の設置だけでなく、日常的に声を上げられる職場運営が問われる。
ハラスメントに関する項目では、過去1年間にペイシェントハラスメントを経験、または見聞きした人が44.5%だった。次いで多かったのはパワーハラスメントの33.9%。患者や家族には、説明を受ける権利や不安を伝える権利がある。ただし、暴言、威圧、人格否定、性的言動、過剰要求が医療従事者に向けられる場合、それを「患者対応」の範囲に閉じ込めることはできない。看護師の安全と尊厳を守ることは、患者が安定した医療・看護を受ける条件にもつながる。
業務負担の軽減策では、「AIによる看護記録の自動生成機能・文章要約」が31.8%で最多となり、「委員会や打ち合わせの議事録要約」が31.6%で続いた。記録業務の効率化は、長時間労働や精神的負担の軽減に資する可能性がある。一方、医療情報を扱う以上、患者情報の保護、記録の正確性、AI出力の確認責任を切り離すことはできない。訪問看護ステーションへの就業関心が低下傾向にあるとの結果も含め、エス・エム・エスの調査は、看護師の働き方が医療・介護サービスを受ける側の生活基盤にも関わることを示している。
株式会社エス・エム・エス
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000442.000013298.html

