
IHIは、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)を全社重点施策の一つに位置付け、社内副業制度を活用した有志従業員による「ジェンダーギャップ解消ワーキンググループ」の活動を進めている。2023年度下期に始まった同グループは、IHIグループの従業員構成が男性8割超に偏っていることを背景に、多様な視点と働き方を生かす組織づくりを目指すもので、現在は11人が参加し、このうち2人は育児休業中という。
2025年度は「ケア」をテーマに、男性の更年期やセルフケアを扱う国際男性デーのラジオトーク、生理痛の疑似体験を含む国際女性デーのワークショップ、女性の健康課題を巡るラジオトークなどを実施した。国際男性デーの企画は延べ約800人が視聴し、国際女性デーに合わせたラジオトークでは、IHIグループの女性従業員約1,500人を対象とした生理に関する実態調査を踏まえ、産業医を交えてセルフケアや管理職の対応の在り方を共有した。
IHIは、こうした取組を通じて、多様な価値観や働き方を尊重し合い、誰もが自分らしく活躍できる職場づくりを継続するとしている。企業の人権対応や人的資本経営では、制度整備だけでなく、性別役割意識や健康課題に対する理解を職場文化の中でどう深めるかが重要になっている。社内副業という自発的な仕組みを起点に、ジェンダー課題を現場の行動変容へつなげようとする点は、企業のDE&I施策の実践例として注目される。

