1.一般社団法人Colaboは6月5日、イミダス連載「DV加害者が潜伏した母子生活支援施設で問われるもの」の更新を公表した。
2.福岡県の母子生活支援施設で起きた2児死亡事件をめぐり、DV加害者による支配関係の継続を論点に据えている。
3.母子生活支援施設の役割を、単なる居住管理ではなく、母子の安全と生活再建を支える関係的支援として捉え直す内容となっている。

一般社団法人Colaboは6月5日、集英社の情報サイト「イミダス」で代表の仁藤夢乃氏による連載コラム「DV加害者が潜伏した母子生活支援施設で問われるもの」が公開されたと告知した。コラムは、2026年3月に福岡県の母子生活支援施設で4歳と3歳の姉妹が死亡した事件を取り上げ、姉妹の母親が殺害容疑で逮捕された経緯に加え、DV加害者とされる内縁の夫が施設内に約3年間潜伏していたと報じられた点を論じている。
仁藤氏は、今回の問題を「男が施設に侵入していた」という事実だけで捉えるのではなく、母子が避難した後もDV加害者との支配関係が継続していた問題として読むべきだと主張する。コラムでは、施設側が加害者の潜伏を見抜けなかったことについて、「意図的に隠された場合は難しい」「管理には限界がある」という説明で終わらせるのではなく、母子の生活の変化や緊張、孤立にどれだけ関わっていたかを検証する必要があるとした。
母子生活支援施設は、児童福祉法第38条に基づき、配偶者のない女性またはこれに準ずる事情にある女性と、その監護する児童を入所させ、保護と自立促進のための生活支援を行う施設である。対象は18歳未満の児童とその保護者で、児童が満20歳に達するまで在所を継続できる場合がある。施設には居室のほか、集会・学習室などがあり、母子支援員や少年指導員等が配置される。
ここで問われるのは、防犯や入退室管理だけではない。DV被害では、加害者から物理的に離れても、心理的支配や経済的依存、子どもを介した接触が残ることがある。行政通知でも、婦人相談所、母子生活支援施設、福祉事務所などでDV被害者が職員対応によって二次的被害を受ける場合があると指摘され、職務関係者には被害者の心身の状況や環境を踏まえた人権尊重が求められてきた。
Colaboの発信は、施設や職員個人の責任追及にとどまるものではなく、支援の質、職員配置、予算、委託事業の評価基準にまで論点を広げている。利用者数、食事提供数、相談件数のような数値だけでは、暴力や支配の中にいる母子が安心して生活を立て直せているかは測れない。福岡県の事件をめぐる検証では、母子生活支援施設が「安全な場所」であり続けるために、生活への関わり方と危険把握の仕組みを具体的に点検することになる。
一般社団法人Colabo「連載更新|DV加害者が潜伏した母子生活支援施設で問われるもの」
URL:https://colabo-official.net/info/media/20260605.html

