奈良市、養育費確保へ弁護士相談と費用補助

この記事のポイント

1.奈良市は、ひとり親家庭などを対象に「養育費確保支援事業」を実施している。
2.弁護士無料相談は1案件につき上限2回、1回あたり1時間程度とされる。
3.公正証書作成、調停・強制執行、弁護士依頼、法テラス利用の費用補助を設ける。

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奈良市は、20歳未満の子どもを養育するひとり親家庭などを対象に、養育費の確保を支援する「養育費確保支援事業」を実施している。市の子ども給付課が窓口となり、養育費に関する相談を、専門的な助言が可能な弁護士の無料相談につなぐ。対象は、20歳未満の子どもを養育している人、現在ひとり親である人または離婚を検討している人、奈良市に住所があり実際に居住している人などで、DVから逃れている場合などには住所要件について特別な事情も示している。

弁護士無料相談は、養育費確保に関する法律相談を対象とする。相談時間は1回あたり1時間程度で、1案件につき上限2回まで。相談場所は原則として担当弁護士の事務所だが、所在地が奈良市外で相談者に不便な場合は、奈良弁護士会館や奈良市役所内を使用する場合がある。申込みは奈良市役所子ども給付課窓口で受け付け、担当弁護士が決定した後、市から相談者へ連絡する流れとなる。勤務などの事情で来庁が難しい場合は、子ども給付課への電話連絡を前提に、オンライン申請も案内している。

費用補助は、養育費を受け取れていないひとり親が、養育費確保の手続きで負担する手数料や弁護活動の着手金などの一部を市が負担する制度である。対象者には、20歳未満の子どもを養育していること、補助金の交付申請・実績報告時にひとり親であること、養育費の請求権を持っていること、同じ養育費確保について奈良市・国・他市町村から補助金を受けていないことなどが掲げられている。補助区分は、公正証書作成手数料、自分で養育費請求調停や強制執行を申し立てる場合、弁護士に依頼する場合、法テラスを利用する場合の4つに分かれる。

補助上限は、公正証書作成手数料が43,000円、自分で養育費請求調停や強制執行を申し立てる場合の実費が50,000円。弁護士に依頼する場合と法テラスを利用する場合は、着手金が100,000円、実費が50,000円とされている。申請時期は区分により異なり、公正証書作成手数料は公正証書を作成した翌日から6か月以内、自分で申し立てる場合は裁判所で申立てをした翌日から6か月以内。弁護士に依頼する場合の着手金は支払い前の申請が必要で、支払い後の申請は対象外とされる。

制度の背景には、養育費を「親同士の問題」にとどめず、子どもの生活基盤を守る仕組みとして扱う考え方がある。こども家庭庁は、ひとり親家庭等への支援を「子育て・生活支援」「就業支援」「養育費確保等支援」「経済的支援」の4本柱で進めている。2026年4月1日施行の民法等改正でも、父母の離婚後の養育に関するルールが見直され、養育費の支払確保について、文書による取決めがある場合の差押え申立てや、法定養育費などが整理された。

養育費は、子どもの衣食住、教育、医療、日常生活を支える費用であり、不払いが続けば、同居親の収入だけでは生活や進学の選択肢が狭まるおそれがある。奈良市の事業は、公正証書や調停、強制執行、弁護士依頼といった手続き上の費用負担を下げることで、養育費の取決めと履行確保に踏み出しやすくするものだ。申請にあたっては事前相談が必要で、奈良市子ども給付課が手続き案内や必要書類を示している。

出典

奈良市「ひとり親家庭の養育費確保を支援します(養育費確保支援事業)」
URL:https://www.city.nara.lg.jp/site/kosodate/127903.html

こども家庭庁「ひとり親家庭等関係」
URL:https://www.cfa.go.jp/policies/hitori-oya

こども家庭庁「民法等改正について」
URL:https://support-hitorioya.cfa.go.jp/revision/

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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