高知県、第53回部落差別強調旬間開始 ジブリ題材に講演

この記事のポイント

1.高知県は7月10日から20日まで、第53回「部落差別をなくする運動」強調旬間を実施する。
2.7月16日に高知市で講演会を開き、坂田良久氏がジブリ作品を題材に同和問題を解説する。
3.講演会は定員500人で入場無料、申込不要。手話通訳も用意する。

高知県のロゴ

高知県は2026年7月10日から20日まで、第53回「部落差別をなくする運動」強調旬間を実施する。期間中は、県、市町村、関係機関、とさでん交通の電車内へのポスター掲示、チラシ配布、新聞やSNSによる広報を行う。中心事業となる講演会は7月16日午後2時から、新来島高知重工ホール(高知県立県民文化ホール)グリーンで開く。高知県、高知県教育委員会、公益財団法人高知県人権啓発センターが主催する。

講演会では、人権エデュ.COM代表の坂田良久氏が「同和問題の現状と課題―ジブリで考える人権のはなし―」をテーマに話す。坂田氏は公益財団法人世界人権問題研究センター登録研究員、崇仁発信実行委員会理事を務め、京都市立中学校や京都教育大学附属桃山中学校の教員を歴任した。チラシによると、2023年3月の教員退職後、部落差別解消推進法と情報化の進展を扱う講演を続け、3年間の講演実績は200回、参加者は2万人を超える。

当日は午後1時30分に受け付けを始め、午後2時10分から高知学芸中学校コーラス部がオープニング演奏を行う。坂田氏の講演は午後2時35分からで、閉会は午後4時10分を予定する。定員は500人。入場無料で事前申込みは必要なく、手話通訳にも対応する。聴覚障害のある人を含め、事前手続きをせず参加できる運営となっている。

高知県が7月10日から20日までを強調旬間としているのは、1969年7月10日に同和対策事業特別措置法が施行されたことにちなむ。県のチラシは、部落差別によって居住・移転や職業選択、教育、結婚などの自由や権利が侵害されてきた経緯を説明するとともに、インターネット上の差別を助長する書き込みによって現在も被害が生じていると記している。

2016年12月に施行された部落差別解消推進法は、現在も部落差別が存在し、情報化の進展によって状況が変化しているとの認識を示した。第5条は、国に必要な教育と啓発を行う責務を定め、地方公共団体には地域の実情に応じた施策に努めるよう規定している。高知県の強調旬間は、この枠組みに基づき、部落差別を歴史上の問題として扱うのではなく、現在の情報環境や生活上の権利と結び付けて学ぶ地域啓発事業となる。

映画作品を入口とする講演は、同和問題に初めて接する参加者にも理解の糸口を示しやすい。ただし、親しみやすい題材だけで差別の歴史や現在の被害を説明し切ることはできない。高知県、高知県教育委員会、高知県人権啓発センターには、7月16日の講演内容を、県内の学校教育、地域研修、インターネット上の差別防止にどうつなげるかを整理し、強調旬間後の啓発にも反映させる運用が残る。

出典

高知県「第53回『部落差別をなくする運動』強調旬間啓発事業」
URL:https://www.pref.kochi.lg.jp/press1/2026070200049/

参考 法務省「部落差別(同和問題)を解消しましょう」
URL:https://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken04_00127.html

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

人権ニュース編集部をフォローする
教育日本
シェアする
タイトルとURLをコピーしました