1.公益財団法人アイヌ民族文化財団は6月9日、「アイヌアートショー2026企画運営等業務」の公募型プロポーザルを公告した。
2.開催日は2026年10月11日、12日で、ウポポイ園内各所を会場に、展示販売、食文化体験、トークイベントなどを実施する。
3.アイヌ文化の発信は、観光誘客だけでなく、先住民族の文化継承と理解促進をどう両立させるかが問われる。

公益財団法人アイヌ民族文化財団は6月9日、「アイヌアートショー2026企画運営等業務」の企画提案募集を公告した。契約方式は公募型プロポーザル方式で、発注先を企画競争により選定する。契約期間は契約締結日から11月30日まで。参加表明書の提出期限は6月17日午後5時、企画提案書の提出期限は7月1日午後5時で、参考業務規模は1,300万円(税込)とされている。
仕様書によると、アイヌアートショー2026は10月11日と12日の2日間、北海道白老町の民族共生象徴空間「ウポポイ」園内各所で開く。10月10日に設営し、13日に撤収する日程で、現代アーティストによるインスタレーション、工芸品とアート作品の展示・販売、食文化体験、アーティストトークイベント、園内装飾、広報物制作などを一体的に企画・運営する内容となっている。
業務には、アメリカ・ホピ族の海外アーティスト2人を招聘するための国内旅費手配や、トークイベント運営も含まれる。工芸品展示販売は最大16ブース、2日間の午前10時から午後4時までを想定し、カード決済システムの導入や出展者への入金対応も仕様に盛り込まれた。食文化体験は1日1回30分程度、参加人数50人を想定し、食品衛生と安全管理への配慮を求めている。
審査基準では、実施体制・業務遂行能力が20点、企画提案内容が40点とされている。企画提案内容では、現代アーティストによる表現の創出と来園者との対話、園内の案内サインや装飾デザインによる回遊性向上、体験プログラムを通じたアイヌ文化の魅力の伝達が評価対象となる。過去の来場者数は、2022年が6,490人、2023年が6,692人と1,730人、2024年が3,438人と2,225人、2025年が1,948人と1,986人と示されている。
人権上の論点は、アイヌ文化を展示やイベントの素材として扱うだけでなく、文化の担い手、作り手、語り手の主体性をどう確保するかにある。仕様書は、アイヌ文化の「伝統と創造」を前提とした現代アーティストの選定や、来園者との交流機会の創出を掲げる。先住民族の文化発信では、鑑賞者に分かりやすく伝える工夫と同時に、文化を単純な観光資源へ還元しない運営設計が必要になる。
ウポポイは、国民理解の深化と新たな文化の創造を掲げる民族共生象徴空間である。今回の公募型プロポーザルでは、多目的ホールをインスタレーション会場に、体験学習館を展示販売、食文化体験、トークイベントの会場に使う計画が示された。アイヌ民族文化財団は、7月1日までに提出される企画提案書を基に、アイヌアートショー2026の具体的な展示、導線、体験内容を固めていく。
公益財団法人アイヌ民族文化財団
URL:https://www.ff-ainu.or.jp/web/application/bid/details6_4.html

