1.岐阜市は、不登校児童生徒の「自分らしい学び」を支えるため、寄附を随時募集している。
2.寄附は、校内フリースペースの整備、備品・教材の購入、支援体制の充実などに活用される。
3.不登校支援は、学校復帰だけでなく、子どもの学ぶ権利と将来の社会的自立を支える施策として捉える必要がある。

岐阜市教育委員会学校安全支援課は、不登校児童生徒への支援を目的に、「自分らしい学びを促す不登校児童生徒への支援」の寄附を随時募集している。募集期間は令和5年4月6日からで、寄附金や物品を受け付ける。市は、全国的に不登校児童生徒数が増加するなか、岐阜市も例外ではないとして、市内の不登校児童生徒が自分らしく学び、将来の自立を目指せる学びの場を整えるとしている。
岐阜市は令和3年4月、東海地区で初となる公立の学びの多様化学校、不登校特例校として「岐阜市立草潤中学校」を開校した。市の説明では、同校では個に応じた学びの環境の中で、子どもたちが新たな自分の可能性を見出しながら学びを深めている。ただ、市内には、まだこうした学びの場に十分につながれていない不登校児童生徒がいるとして、寄附を通じた支援体制の整備を進める。
寄附金は、児童生徒の自分らしい学びを支援するため、備品や教材の購入などに活用する。寄附案内チラシでは、まず市内5校に校内フリースペースを整備し、魅力的な環境づくり、さまざまな学びに対応できる備品や教材の整備、不登校支援対策を市内小中学校へ展開するセンター的機能、実証した支援体制の市内小中学校への展開を掲げている。フリースペース常駐職員、教育相談支援員、スクールカウンセラー、地域人材など、教職員以外の関わりも想定されている。
制度面では、学びの多様化学校は、不登校児童生徒の実態に配慮し、特別の教育課程を編成して教育を実施する学校である。従来の学校生活になじめない子どもに対し、通学の形、学習内容、人との関わり方を柔軟に設計する点に特徴がある。岐阜市の寄附募集は、草潤中学校のような学校単位の取り組みに加え、通常の小中学校内にも安心して過ごせる場を増やす方向を示している。
人権上の論点は、不登校を本人の努力不足や家庭だけの問題として扱わず、学ぶ権利を保障するための環境整備として見る点にある。登校できない状態にある子どもにも、安心して学び、人と関わり、自己肯定感を回復する機会が必要になる。校内フリースペースやオンラインを活用した支援は、教室以外の場所から学びに接続する仕組みであり、孤立を防ぐ教育施策でもある。
寄附は、インターネットまたは書面で申し込むことができ、ふるさと納税にも対応している。岐阜市教育委員会学校安全支援課は、物品の寄附を希望する場合には事前に問い合わせるよう案内している。岐阜市は、寄附を校内フリースペースの環境整備などに活用し、不登校児童生徒が学校の教室に限らない学びやふれあいの場につながる支援を進める。

