
大阪府は、5月の「ギャンブル等依存症問題啓発月間」に合わせ、府民向けシンポジウムや土曜特別相談、民間企業・大学・関係機関と連携した啓発を実施すると発表した。大阪府では、令和4年度に制定された「大阪府ギャンブル等依存症対策基本条例」により、毎年5月を啓発月間と定めている。今回の取組は、依存症への理解促進に加え、本人や家族が早期に相談につながる機会を広げることを目的としている。シンポジウムは大阪府・大阪市・堺市の主催で、2026年5月31日に大阪市中央公会堂大集会室で開催される。
シンポジウム「知ろう!気づこう!依存症 ~ギャンブル等依存のこと~」は、午後2時から午後4時30分まで実施され、定員は先着800人、参加費は無料。第1部ではDJ KOO、もさを。、直田姫奈、山口智広、エイアイカ・木﨑千聖によるトークショーを行い、第2部では阪和いずみ病院の精神科医・角田三穂子氏らによるパネルディスカッションを予定している。会場ではギャンブル等依存症や法律に関する無料相談も実施され、希望者は専門相談員に相談できるほか、必要に応じて法律専門家等へのオンライン相談も利用できる。相談場所はプライバシーに配慮した個室とされており、本人や家族が安心して相談しやすい環境づくりが意識されている。
大阪府こころの健康総合センターでは、5月と6月に土曜相談の実施日を拡大し、ギャンブル等依存症に関する土曜特別相談を行う。依存症全般の専門相談は平日に加え、5月9日、5月23日、6月13日、6月27日の土曜日にも実施され、ギャンブル等依存症に関する特別相談は5月16日、6月6日、6月20日の土曜日に実施される。5月の土曜相談では、依存症相談に合わせ、弁護士による対面の借金専門相談も行われる。対象は、府内在住でギャンブル等による問題に困っている本人や家族で、相談費用は無料。来所相談は予約制で、まず電話相談を行う必要がある。
ギャンブル等依存症は、本人の意思の弱さや浪費癖として理解されがちだが、実際には健康、家計、就労、家族関係、孤立などに広く影響する社会的・福祉的課題である。借金問題を伴う場合には、生活再建や法的整理の支援も必要となることがある。今回、大阪府が依存症相談と借金専門相談を同時期に実施することは、精神保健、福祉、法律支援を分断せずに結び付ける取組として意味がある。本人だけでなく家族も相談対象としている点は、依存症が家庭内の関係や生活基盤に及ぼす影響を踏まえた対応といえる。
大阪府は、啓発月間中、民間企業、大学、医療機関、公営競技関係団体などとも連携し、大型ビジョンやデジタルサイネージでの啓発動画・メッセージの放映、ポスター掲示、チラシ配架などを行う。協力先には、ガンバ大阪、セレッソ大阪、ボートレース住之江、日本トーターブッキースタジアム岸和田、大阪府遊技業協同組合、立命館大学、医療機関などが含まれている。依存症対策では、問題が深刻化してから支援につなげるだけでなく、地域のさまざまな接点で「相談してよい問題」であると伝えることが重要となる。府民、家族、職場、学校、支援機関が依存症を正しく理解できるかが、偏見を防ぎ、早期支援につながる鍵となる。

