生理痛体験から職場対応を討議 ファミワンが90分研修開始

この記事のポイント

1.ファミワンが、生理痛の疑似体験と職場での対話を組み合わせた90分の研修プログラムを開始する。
2.研修、疑似体験、グループ討議、振り返りを通じ、月経やPMSに伴う不調への職場対応を考える。
3.体験だけで終わらせず、プライバシー保護、休暇制度、柔軟な勤務、相談体制へ接続できるかが企業実務上の論点となる。

ファミワンが生理痛体験を含む『職場理解ワークショップ』

株式会社ファミワンは2026年7月13日、生理痛の疑似体験と職場での対話を組み合わせた「職場理解ワークショップ 共に働く仲間のゆらぎを知る」の提供開始を公表した。2026年秋の本格始動に先立ち、8月27日午前10時から午後1時まで、東京都内の渋谷・表参道エリアで企業担当者向け無料体験会を開く。対象は人事・総務担当者、経営陣、ダイバーシティ推進責任者らで、定員は先着30人、1社2人までとなる。

プログラムは90分。株式会社ファミワン執行役員・代表看護師の西岡有可氏が監修し、15分の研修、30分のワークショップ、30分のグループ討議と発表、15分の共有・振り返りで構成する。生理痛を疑似体験するデバイスだけでなく、月経周期に伴う心身の変化を示すタペストリーや、悩みの傾向を確認するガイドブックを用いる。痛みの強さを比べることではなく、症状の個人差や月経前症候群(PMS)を含む不調を学び、職場で可能な対応を話し合う設計とした。

経済産業省が2018年に公表した調査では、女性従業者2,400人の51.5%が、勤務先で女性特有の健康課題や症状により困った経験があると回答した。月経関連の症状・疾病は36.9%、PMSは22.1%だった。厚生労働省も、職場研修に加えて、休暇制度、時差出勤、フレックスタイム、テレワーク、相談体制を組み合わせる例を示している。労働基準法第68条は、生理日の就業が著しく困難な女性が請求した場合、使用者が就業させることを禁じる。2025年6月公布の改正女性活躍推進法では、女性活躍の推進に当たり、女性の健康上の特性に配慮する旨が基本原則に明記された。

人権上の留意点は、月経に関する健康情報が私生活に属する情報であり、研修参加をきっかけに本人へ症状や周期の説明を迫らないことである。厚生労働省は健康情報のプライバシー保護を特に留意事項とし、性別を問わず利用しやすい休暇制度や職場全体の働き方改革も有効と示す。疑似体験を「当事者の痛みを理解した証明」として扱えば、症状の個人差を見失い、女性従業員を一括りにする危険がある。

研修は、健康課題を本人の我慢や周囲の善意だけに委ねず、就業環境の調整へ結び付けて初めて実務上の役割を持つ。ファミワンが秋から提供する90分プログラムでは、体験後の討議を、生理休暇の周知、柔軟な勤務制度、相談先の整備、健康情報を本人の同意なく共有しない運用へどう接続するかが、導入企業の確認事項となる。

出典

株式会社ファミワン「ファミワンが生理痛体験を含む『職場理解ワークショップ』の提供を開始」、厚生労働省「職場における女性の健康支援の取組のポイント」、経済産業省「働く女性の健康推進に関する実態調査」

URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000821.000014333.html
URL:https://project.famione.com/shokuba-work
URL:https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/business-efforts.html
URL:https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/H29kenkoujumyou-report-houkokusho-josei.pdf

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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