難民等への日本語教師初任研修を2期実施 当事者対話は原則対面

この記事のポイント

1.社会福祉法人さぽうと21が、難民等への日本語教育を学ぶ現職の日本語教師を対象に、全60コマの初任研修を実施する。
2.研修は原則オンラインで進め、「難民当事者との対話」のみ対面を基本とする。
3.語学指導に加え、強制移動の背景、心理的負担、生活上の課題を理解し、福祉機関などと連携する力を扱う。

令和8年度 現職日本語教員研修プログラム開発・実施事業 難民等に対する日本語教師初任研修

社会福祉法人さぽうと21は、難民等への日本語教育を学びたい日本語教師を対象に、2026年度の「難民等に対する日本語教師初任研修」を2期に分けて実施する。第1期は7月19日から11月8日までで、11月29日にまとめの回を設ける。第2期は10月11日から2027年2月7日までとし、2月28日にまとめを行う。全60単位相当、45分授業60コマで構成され、受講料は1万5,000円。なんみんフォーラムが7月13日、加盟団体の活動として案内した。

対象は、難民等への日本語教育を学び、全講座へ参加できる日本語教師。実施方法は原則オンラインだが、「演習特2 難民当事者との対話」は対面を基本とする。第1期の申込期限は7月18日、第2期は先着順で受け付ける。修了条件を満たした希望者には、文部科学省から研修履歴を電子的に証明するオープンバッジが発行される。

研修は、文部科学省の「現職日本語教員研修プログラム開発・実施事業」に基づく。同事業は、生活者、留学生、就労者、児童生徒、難民等といった活動分野ごとに、現職教員の専門性を高める研修を実施する制度で、2026年度の「難民等に対する日本語教師初任研修」はさぽうと21が担当する。全国から受講できるよう配慮することが事業要件とされ、オンラインと対面を組み合わせた方式も推奨されている。

さぽうと21の研修プログラムは、難民的背景を持つ学習者の事情を多面的に理解すること、生活上の困りごとを把握すること、日本語教育で対応できる範囲と対応できない範囲を区別すること、関係機関と連携することを到達目標に掲げる。難民等の中には、初等教育を十分に受けられなかった人や、国籍国を離れた経験、迫害、強いストレスを抱える人もいるため、画一的な教材や進度だけでは学習環境に適合しない場合がある。

ここで扱う日本語教育は、文法や語彙の習得だけを目的とするものではない。医療、行政手続、就労、進学、地域での生活に必要な情報へ到達するための支援を含む。ただし、日本語教師が心理相談や生活支援を単独で担う制度ではない。研修が教師自身の役割の限界を確認し、福祉、医療、難民支援団体などへつなぐ力を学習内容に含めるのは、学習者の事情を語学上の問題だけに還元しないためである。

さぽうと21は2023年度から同種の研修を実施し、講義、教室見学、難民当事者との対話、日本語教育実習を組み合わせてきた。2026年度の受講者には、当事者の経験を教材として一方的に消費せず、本人の生活段階や希望を踏まえて授業を設計し、必要な支援先と連携する実践が問われる。対面で行う「難民当事者との対話」は、その姿勢を具体的な教育活動へつなげる研修となる。

出典

なんみんフォーラム「令和8年度 現職日本語教員研修プログラム開発・実施事業 難民等に対する日本語教師初任研修」、さぽうと21「ここくら」、文部科学省

URL:https://frj.or.jp/news/organization/support21/6229/
URL:https://kokokura.com/news/course/472/
URL:https://www.mext.go.jp/a_menu/nihongo_kyoiku/mext_00230.html

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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