1.墨田区は、心のバリアフリー応援隊の登録団体として、曳舟の「cafeさぶたけ」を紹介している。
2.店内にはスロープやバリアフリートイレがあり、障害のある人やベビーカー利用者も過ごしやすい環境を整えている。
3.障害者施設「ひだまり工房」の商品販売も行い、地域のカフェが就労支援と交流の接点になっている。

墨田区福祉保健部障害者福祉課は、区の「心のバリアフリー応援隊」に登録された取組として、東向島2丁目の「cafeさぶたけ」を区ホームページで紹介している。ページの更新日は2026年6月8日。cafeさぶたけは、曳舟地域でご近所の常連客や子ども連れの家族などが集うコミュニティ・カフェで、区は「心もお店もバリアフリー」と題して、店舗設備と店主の考え方を掲載した。
同店の入口にはスロープがあり、店内には車いすでも入りやすいバリアフリートイレを備える。車いす利用者やベビーカー利用者が、気兼ねなくカフェで過ごせるようにするための整備である。店主の工藤チェコさんは、自身も脳梗塞を患った経験から、体が不自由な人や車いすの人が使いやすいよう、店内のテーブルを選び、手すりを付ける改修も行ってきた。区のページでは、難病の子どもや保護者が遠方から定期的に集まる拠点にもなっているとされる。
「心のバリアフリー応援隊」は、墨田区内で心のバリアフリーにつながる取組を行う事業者、店舗、NPO法人、ボランティア団体、サークルなどを区が認定し、その内容を区民や事業者に広く紹介する制度である。対象となる取組には、障害のある人等が利用しやすい建築物・設備の整備、サービスの提供、意思疎通の支援、障害のある人が働く作業所への仕事の発注、作業所の商品取扱い、情報発信への協力などが含まれる。
cafeさぶたけの取組は、店舗の物理的なバリアフリーにとどまらない。店内の雑貨コーナーでは、医療法人社団草思会の「ひだまり工房」で制作された布製品やニットなどの小物を販売している。ひだまり工房は、障害のある人が体調に合わせながら働くことのできる福祉施設で、工藤さんは施設の人たちと話しながら取り扱う商品を選んでいる。障害者施設の商品を地域の店舗で扱うことは、福祉施設の活動を地域の購買行動と結びつける実践でもある。
区のページで特徴的なのは、工藤さんが、商品について「あえて、障害のある方が通う施設で制作していることは表示せず」、購入後に伝えるようにしていると説明している点である。これは、障害者施設の商品であることを前面に出して支援的な購入を促すのではなく、まず商品そのものの魅力で選んでもらうための工夫と読める。福祉と消費の接点では、「かわいそうだから買う」という関係にならないよう、作り手の尊厳と商品の価値を同時に扱う視点が欠かせない。
障害者差別解消法は、行政機関や事業者に対し、不当な差別的取扱いを禁じ、合理的配慮の提供を求めている。地域の店舗にとって、すべての改修を一度に行うことは容易ではない。それでも、入口、トイレ、手すり、テーブル配置、声かけ、商品販売のあり方などを少しずつ整えることは、障害のある人や配慮を必要とする人が地域で過ごす選択肢を広げる。心のバリアフリー応援隊は、そうした小規模な実践を区が見える形にする制度といえる。
cafeさぶたけの基本情報は、所在地が墨田区東向島2-31-17、電話番号が090-3548-3158。営業時間は午前10時から午後6時までで、定休日は水曜日、木曜日、日曜日とされている。問い合わせ先は、墨田区福祉保健部障害者福祉課庶務係。区は、心のバリアフリー応援隊の登録事例として、曳舟のカフェが設備整備、障害者施設の商品取扱い、人のつながりを重ねている実例を示している。
墨田区「心もお店もバリアフリー~みんなで支え合えあえる居場所に~〖cafe さぶたけ〗」
URL:https://www.city.sumida.lg.jp/kenko_fukushi/syougai/rikai_sokushin/kokorobf/ouentai/sabutake.html
墨田区「“心のバリアフリー応援隊”について」
URL:https://www.city.sumida.lg.jp/kenko_fukushi/syougai/rikai_sokushin/kokorobf/ouentai/ouentai.html

