東京都、ハンセン病講演を12月まで配信 都庁でパネル展も

この記事のポイント

1 東京都は、ハンセン病問題を扱うオンデマンド講演を2026年6月11日から12月28日まで配信する。
2 都庁第一本庁舎では、6月19日から24日まで「ハンセン病パネル展」を実施する。
3 6月22日の「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」に合わせ、隔離政策の歴史と偏見・差別の解消を伝える取組となる。

ハンセン病について知っていますか オンデマンド講演・パネル展示

東京都保健医療局は2026年6月11日、ハンセン病問題を知るためのオンデマンド講演とパネル展示を実施すると公表した。講演は「ハンセン病問題を知っていますか」と題し、東京都公式動画チャンネル「東京動画」で同日午後2時から12月28日まで配信する。都庁第一本庁舎1階中央部アートワーク台座では、6月19日から24日まで「ハンセン病パネル展」を開く。

オンデマンド講演は3本で構成する。「ハンセン病とは」は4分4秒、「日本におけるハンセン病政策」は11分52秒、「国立ハンセン病資料館のご紹介と残された課題」は7分14秒。講師は、国立ハンセン病資料館事業部事業課の主任学芸員、金貴粉氏が務める。視聴は申込不要、無料で、通信費は視聴者負担となる。パネル展では、ハンセン病問題の概要やハンセン病Q&Aなどを展示する。

6月22日は、「ハンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給等に関する法律」の施行日であり、「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」とされている。厚生労働省も2026年6月22日に中央合同庁舎第5号館で式典を予定しており、追悼、慰霊、名誉回復を行政が継続して扱う日として定着している。東京都の今回の啓発事業も、この日程に合わせた取組である。

ハンセン病は、感染力が極めて弱い細菌による感染症で、現在は薬で治療できる。東京都は、明治40年に制定された「癩予防ニ関スル件」に始まる誤った隔離政策により、患者や家族が激しい苦痛を受けたと説明している。隔離政策は平成8年に廃止されたが、病気への誤解だけでなく、家族を含む差別、地域社会での孤立、療養所で暮らしてきた人の名誉回復という課題が残った。

人権上の論点は、感染症への知識不足にとどまらない。行政が過去に行った隔離政策が、居住、家族関係、就労、教育、地域参加に長く影響した点を、現在の啓発の中でどう伝えるかが問われる。とくにハンセン病問題では、医学的に治療可能であることを知らせるだけでは不十分で、制度によって生じた被害と、偏見が家族にも及んだ経緯を分けて理解する必要がある。

東京都健康安全研究センター企画調整部健康危機管理情報課は、今回の講演とパネル展を通じ、ハンセン病の歴史、偏見・差別解消の取組、国立ハンセン病資料館に残された課題を都民に示す。都庁第一本庁舎での展示期間は6日間に限られるが、オンデマンド講演は12月28日まで視聴できるため、学校、職場、地域の人権研修でも活用しやすい形式となっている。

出典

東京都「ハンセン病について知っていますか オンデマンド講演・パネル展示で正しい理解を」
URL:https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/06/2026061104


参考 厚生労働省「『らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日』式典の開催について」

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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