横須賀市、就学援助世帯の不登校児童・生徒にフリースクール利用支援

こどもの人権を守ろう

神奈川県横須賀市は、就学援助費を受給している世帯の不登校児童・生徒を対象に、フリースクールの利用料相当額を支援する「横須賀市フリースクール学習支援事業」を実施している。対象は、市内在住で、小学校から中学校に在籍し、病気や芸能活動等以外の理由で小・中学校を30日以上休んでいる児童・生徒。市が利用料相当額を支援することで、対象となる子どもは、週3回、1回2時間程度を目安に無料で利用できる。ただし、交通費や食費などは自己負担となる場合がある。

支援対象となる施設は、市内で実績のあるフリースクール4施設である。横須賀市は、フリースクールについて、文部科学省が「不登校の子どもに対し、学習活動、教育相談、体験活動などの活動を行っている民間の施設」としていることを示したうえで、掲載施設を支援対象として案内している。文部科学省も、不登校児童生徒が学校外の施設で指導等を受ける場合、一定の要件を満たせば、その日数を指導要録上「出席扱い」とすることが可能としており、学校外の学びを子どもの社会的自立に向けた支援として評価する考え方が制度上整理されている。

【支援対象フリースクール一覧】

施設名運営主体所在地電話番号主な位置付け
フリースクール子どもの夢特定非営利活動法人子どもの夢サポートセンター横須賀市小川町28-1 横須賀ハイム205046-876-7151不登校児童・生徒の学習活動、相談、居場所支援
学習サポートネクスト特定非営利活動法人アンガージュマン・よこすか横須賀市上町2-4046-801-7881学習支援、相談、社会的自立に向けた支援
湘南国際学院フリースクール特定非営利活動法人湘南国際横須賀市舟倉1-32-1-102・103046-827-1941学習プログラム、体験活動等による支援
ミライのたいよう特定非営利活動法人むすびぃと・一般社団法人Miraie横須賀市根岸町5-7-28080-6137-2247不登校の子どもの居場所、学習・体験活動支援

この事業の意義は、不登校支援を「家庭の自己負担」だけに委ねない点にある。フリースクールは、子どもにとって学校以外の学びや居場所となる一方、継続的に利用するには費用負担が課題となる。とりわけ就学援助世帯では、教育機会の選択肢が経済状況によって狭まるおそれがある。横須賀市の支援は、所得に左右されずに学習活動や相談支援へつながる機会を確保するものであり、教育を受ける権利、子どもの最善の利益、生活困窮家庭への支援という観点から重要な施策といえる。

また、不登校の背景は、いじめ、発達特性、家庭環境、心身の不調、学校との不適合など多様であり、画一的な登校復帰だけを目的にすると、子どもや保護者をさらに追い詰める場合がある。文部科学省も、不登校への対応では、児童生徒の状態や背景を把握し、個々の状況に応じて対応する姿勢が重要だとしている。地方公共団体が民間フリースクールと連携し、複数の居場所を選択肢として示すことは、学校、家庭、地域の支援を重ね合わせる実務的な意味を持つ。

申込み・問合せは、横須賀市民生局福祉こども部生活支援課自立支援担当が受け付けている。市は、相談内容を確認したうえで、就学援助決定通知書等の写しなど必要書類を案内するとしている。教育と福祉のはざまに置かれやすい不登校支援では、制度を知っている家庭だけが利用できる状態を避けることが課題となる。学校、スクールソーシャルワーカー、福祉窓口、地域団体が連携し、対象となる家庭に制度情報を届けられるかが、今後の利用促進の鍵となる。

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