障害者情報アクセス3法、議連で施策報告

この記事のポイント

1.DPI日本会議は、5月14日に開かれた障害児者の情報コミュニケーション推進に関する議員連盟総会への出席を報告した。
2.総会では、読書バリアフリー法、障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法、手話施策推進法に関する省庁施策が示された。
3.手話施策、読書バリアフリー、デジタル教科書、電話リレーサービスなど、情報保障の実装段階に関わる課題が整理された。

DPI日本会議障害児者の情報コミュニケーション推進に関する議員連盟総会

DPI日本会議は5月15日、5月14日に参議院議員会館で開かれた「障害児者の情報コミュニケーション推進に関する議員連盟」総会への出席報告を公表した。出席したのは、伊藤芳浩DPI日本会議特別常任委員と佐藤聡DPI日本会議事務局長。総会では、読書バリアフリー法、障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法、手話施策推進法の3法に関し、関係省庁の取組が報告された。

議連の役員改選では、長年会長を務めた衛藤晟一元参議院議員の退任に伴い、福岡資麿参議院議員が新会長に就任した。DPI日本会議の報告によると、手話施策推進法については、2025年6月25日の施行後、文部科学省による児童生徒向けの手話理解啓発動画、大学等における学術手話通訳の実態把握、教師向け手話習得支援コンテンツの開発などが示された。若年層向け意思疎通支援者養成研修では、おおむね35歳以下の大学生などを対象に、通常2年程度のカリキュラムを1年で修了できる短期集中型に再設計する内容も盛り込まれている。

読書バリアフリー法では、2025年3月に第二期基本計画が策定され、2025年度から2029年度までの新たな段階に入った。都道府県の読書バリアフリー計画策定率は100%に到達した一方、指定都市は85%、中核市は46.8%にとどまる。国立国会図書館の「みなサーチ」は、OCR処理による全文テキストデータが約347万点に達した。出版者からのデータ提供実証調査では、2025年8月から12月までの依頼323件のうち、データ提供ありは110件、不可は81件、未回答は96件だったと報告された。

障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法に関しては、総務省のデジタル・ディバイド解消に向けた研究開発、電話リレーサービスの新サービス「ヨメテル」、デジタル推進委員等の取組、電子投票システム、学習者用デジタル教科書の標準仕様検討などが取り上げられた。電話リレーサービス「ヨメテル」は、相手の声のみを文字にする片側字幕型サービスで、利用者数2.3万人、年間通話件数約44万件と紹介されている。

質疑応答では、DPI日本会議側から、生放送におけるリアルタイム字幕付与、アクセシビリティ評価ツールの普及、デジタル教科書における音声読み上げや動画字幕の標準化について質問した。総務省、経済産業省、文部科学省がそれぞれ回答したが、DPI日本会議は、生放送の字幕付与率の扱いや、民間企業向け評価ツールの普及、デジタル教科書の具体策について、なお確認や検討が必要な点が残ると整理している。

情報アクセシビリティは、障害のある人が教育、就労、災害時の情報、行政手続、選挙、読書、放送、通信サービスにアクセスできるかを左右する。法律が整備されても、自治体計画、学校現場、出版社、放送事業者、デジタルサービス事業者の対応に差があれば、生活上の不利益は残る。DPI日本会議は今回の報告で、3法の制度整備後に問われるのは、現場での実装と当事者の声の反映であると位置付けている。

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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