1.アントニオ・グテーレス国連事務総長が今週末、日本に向けて出発する。
2.東京では、国連システム各機関の長が集まるCEB年次会合の議長を務める。
3.日本の国連加盟70周年に合わせたシンポジウムにも出席し、多国間主義をテーマに議論する。

アントニオ・グテーレス国連事務総長は今週末、日本に向けて出発する。国連広報センターが5月15日に発表した。東京では、国連システム各機関の長が一堂に会する「国連システム事務局長調整委員会(CEB)」の年次会合で議長を務める予定。滞在中は、天皇陛下との謁見、高市早苗内閣総理大臣との会談、茂木敏充外務大臣との意見交換も予定されている。
CEBは、国連を知らない読者には聞き慣れない組織名だが、簡単に言えば、国連本体だけでなく、国連児童基金(UNICEF)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、世界保健機関(WHO)、国際労働機関(ILO)など、国連システム全体の責任者が集まる調整機関である。国連広報センターは、CEBについて、国連システムの最高レベルの調整機関で、事務総長が議長を務め、各機関の活動を加盟国の共通目標に沿って調整すると説明している。
今回の訪日は、日本の国連加盟70周年とも重なる。日本は1956年12月18日に国連へ加盟し、2026年に70周年を迎える。外務省は、日本が国連の活動の三本柱である平和と安全、開発、人権に加え、法の支配などの分野で国際社会に関与してきたと説明している。国連加盟70周年は、戦後日本が国際社会に復帰し、国連を通じて外交や国際協力を進めてきた歩みを確認する節目となる。
グテーレス事務総長は東京で、「日本の国連加盟70周年記念 - 国連と日本の協力のあゆみ、EXPO 2025、そして多国間主義の未来」と題するハイレベル・シンポジウムにも出席する。国連大学と国連広報センターが共催し、国連高官、日本政府関係者、日本の若いリーダーらが参加する予定で、日本と国連の協力関係、多国間主義の将来、現在の国際課題への対応を話し合う場となる。
多国間主義とは、一つの国だけで国際問題を処理するのではなく、多くの国や国際機関がルールに基づいて協議し、協力する考え方を指す。紛争、難民、気候変動、感染症、貧困、人権侵害などは、国境を越えて影響が及ぶため、単独の国だけでは対応しにくい。国連の会議や条約、専門機関の活動は、こうした課題を各国が共通の場で扱うための仕組みである。日本でCEB年次会合が開かれることは、国連システム全体の政策調整と、日本の国連外交が同じ時期に交差する機会となる。
事務総長は5月20日に記者会見を行い、同日にニューヨークへ戻る予定。国連広報センターは、記者会見の詳細について開催日が近づき次第知らせるとしている。今回の訪日は、CEB年次会合、日本政府要人との会談、日本の国連加盟70周年シンポジウムを通じ、国連と日本の協力関係を国内向けにも示す日程となる。
国連広報センター
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