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2008年5月21日、米国で遺伝情報差別禁止法、GINAが署名・成立した。雇用や健康保険における遺伝情報差別の禁止を定めた法律であり、遺伝情報と差別防止を考える上で国際的な参考事例となる。日本国内の制度設計や啓発を考える際にも、比較素材として重要である。
ゲノム医療や遺伝子検査が広がると、病気の発症リスクや家族歴に関する情報が、本人の意思を超えて評価に使われるおそれがある。雇用や保険で遺伝情報が不利益に扱われれば、検査や研究参加をためらう人も増え、医療の発展そのものにも影響する。差別防止は、個人の権利を守るだけでなく、安心して医療を受ける前提でもある。
人権の観点では、遺伝情報を将来の可能性として理解し、現在の能力や人格の評価に結び付けないことが必要である。企業や保険関係者は、収集してよい情報と利用してはならない情報の境界を明確にする必要がある。米国GINAの成立日は、日本でもゲノム情報の活用と差別防止を制度的にどう両立させるかを考える手掛かりとなる。
