
国連人口基金(UNFPA)駐日事務所はこのほど、「世界水の日」を記念して3月18日に国連大学が開いたオンラインセミナー「水とジェンダー」に、成田詠子所長がパネリストとして登壇したと発表した。2026年の「世界水の日」のテーマは「水とジェンダー」で、水危機が人々に広く影響する一方、特に女性や少女に重い負担を及ぼしている現状が議論された。
成田所長は、水の問題がジェンダー課題と深く結びついている事例として、バングラデシュ北部ガイバンダで頻発する洪水を挙げた。同地域は南アジアでも洪水が起きやすい地域の一つで、毎年およそ200万人が被害を受けているという。
洪水被害を受けた女性や少女は、清潔な水や安全な衛生設備を利用しにくくなり、月経時の衛生管理が困難になる。これにより病気のリスクが高まるだけでなく、学校に通えなくなったり外出を控えたりすることで、尊厳や幸福にも悪影響が及ぶと指摘された。
さらに、災害の繰り返しが貧困を深刻化させ、児童婚などの有害な慣行を広げる要因にもなるという。ガイバンダでは児童婚率が最大65%に達する地域もあり、経済的困難に直面した家族が娘を早く結婚させる選択を迫られる場合があると説明した。UNFPAは対応策として、緊急時でも安全に生理用品を使えるよう衛生用品を詰めた「ディグニティー・キット」の提供や、女性や少女の権利とニーズに関する啓発活動を進めている。自然災害を気候やインフラの問題にとどめず、女性と少女の人権課題として捉える視点の重要性が、改めて浮き彫りになった。
出典
UNFPA国連人口基金駐日事務所
URL:
https://tokyo.unfpa.org/ja/news/waterday_2026

