1.栃木県は8月28日と10月24日、宇都宮市で「性暴力を考える講座」を開く。
2.第1回は支援者を対象に、相談現場と児童精神科臨床から被害後の支援を扱う。
3.第2回は一般県民も対象とし、大人が学ぶ包括的性教育をテーマとする。

栃木県と認定NPO法人ウイメンズハウスとちぎは2026年8月28日と10月24日、宇都宮市で「性暴力を考える講座」を開く。子どもへの性的虐待や、顔見知り・親しい人から受ける性被害を取り上げ、被害者支援に携わる専門職と一般県民が、それぞれの立場から性暴力への理解を深める。両日とも参加無料で、定員は各100人となっている。
第1回は8月28日午後1時から4時30分まで、とちぎ福祉プラザ第2研修室で実施する。対象は医療、教育、福祉、相談業務などで支援に携わる人。とちぎ性暴力被害者サポートセンター副センター長の稲見一美氏が、相談支援の現場から見える性暴力を報告する。藤田医科大学医学部精神神経科学講座准教授の古橋功一氏は、児童精神科臨床を踏まえ、性暴力を受けた子どもの心の回復を扱う。申込期限は8月14日で、受講者は後日アーカイブ配信も利用できる。
第2回は10月24日午後1時30分から3時まで、とちぎ男女共同参画センターのパルティホールで開く。助産師・思春期保健相談士の櫻井裕子氏が「今、大人が受けたい包括的性教育」をテーマに講演する。支援者に限らず誰でも参加でき、申込期限は10月16日。第2回のアーカイブ配信は行わない。
包括的性教育は、妊娠や感染症に関する知識だけを教えるものではない。ユネスコは、子どもや若者が健康と尊厳を守るための知識、技能、態度、価値観を身につけ、互いを尊重する関係を築き、自分と他者の権利を理解するための教育として説明している。大人が同意や対等な関係について学ぶことは、被害を受けた側への責任転嫁を避け、子どもや若者から相談を受けた際の対応を検討する基礎にもなる。
栃木県は、性暴力被害をめぐって「被害を受けた者にも非がある」といった誤解や偏見が残り、相談できないまま孤立する被害者がいると説明する。支援の場で、被害の有無を問い詰めたり、本人の意思を置き去りにして対応を進めたりすれば、相談する側の負担を増やしかねない。第1回が支援実務と子どもの心理的回復を、第2回が予防につながる教育を扱う構成は、被害後の支援と性暴力を防ぐ学習を区別して考える機会となる。
県内では、とちぎ性暴力被害者サポートセンター「とちエール」が、性別や年齢を問わず相談を受け、医療機関などと連携している。全国共通短縮ダイヤル「#8891」からも最寄りのワンストップ支援センターにつながり、夜間や休日はコールセンターが相談を受け付ける。栃木県とウイメンズハウスとちぎは、8月28日の支援者向け講座と10月24日の一般向け講座で、相談を受ける側の知識と、性暴力を生まない関係づくりの双方を扱う。
栃木県「令和8(2026)年度『性暴力を考える講座』の開催について」
URL:https://www.pref.tochigi.lg.jp/c07/houdou/2026seibouryokuwokanngaerukouza.html
参考 栃木県「性暴力被害について相談したい」
URL:https://www.pref.tochigi.lg.jp/c07/kouhou/h27tochielu.html
参考 UNESCO「Comprehensive sexuality education」
URL:https://www.unesco.org/en/health-education/cse

