三重県、カスハラ相談窓口開設 10月義務化前に企業支援

この記事のポイント

1.三重県は7月13日、県内企業向けのカスタマーハラスメント防止対策相談窓口を開設する。
2.一般相談に加え、毎月第4木曜日には弁護士による予約制の法律相談を実施する。
3.10月1日の防止措置義務化を前に、セミナーやアドバイザー派遣、出前講座も順次展開する。

三重県の令和8年度カスタマーハラスメント防止対策推進事業

三重県は2026年7月13日、県内企業の経営者や人事・労務担当者を対象とする「カスタマーハラスメント防止対策相談窓口」を開設する。期間は2027年3月26日までの平日で、祝日と12月29日から1月3日までを除き、午前10時から午後5時まで受け付ける。専用電話、電子メール、ウェブフォームを用意し、必要に応じて対面やオンラインでも対応する。相談は無料で、株式会社ナレッジリーンが運営を受託する。

相談対象は、社内方針や対応体制の構築、従業員研修、ポスター掲示、録音・録画や監視カメラの活用など、カスハラ対策に関する困り事全般。ただし、法的な助言は対象外となる。チラシでは、業種や事業者の実情に合わせて専門のコンサルタントが具体策を提案し、相談内容を機密情報として管理するとしている。

法的判断が必要な案件には、津市広明町の三重県庁本庁舎で予約制の法律相談を設ける。毎月第4木曜日の午後1時から4時まで、弁護士が1日3件を上限に助言し、初回は7月23日。県内企業の経営者や人事担当者などが、県ホームページの専用フォームから申し込む。一般相談と法律相談を分けることで、社内体制の整備と個別事案の法的整理を、それぞれの専門窓口で扱う構成とした。

事業開始から約2か月半後の10月1日には、改正労働施策総合推進法が施行され、カスタマーハラスメント防止措置が事業主の義務となる。厚生労働省の指針は、対応方針の明確化、相談体制、事実関係の確認、被害を受けた労働者への配慮、再発防止、相談者のプライバシー保護、悪質な行為への対処体制などを整備するよう定めている。三重県の相談事業は、施行前に県内事業者の準備を支えるものとなる。

カスハラ対策は、暴言、脅迫、長時間の拘束などから従業員の安全と尊厳を守る仕組みである。ただし、顧客からの苦情を一律に排除する制度ではない。厚生労働省は、障害者が不当な差別的取扱いの是正や社会的障壁の除去を申し出ること自体はカスハラに当たらず、消費者の権利や合理的配慮の提供義務にも留意するよう明記した。事業者は、要求内容だけでなく、言動の手段、経緯、頻度、継続性を確認し、正当な申出と就業環境を害する行為を区別する必要がある。

三重県は8月下旬と11月下旬に事業者向けセミナーを開くほか、9月頃から伴走型支援のアドバイザー派遣と就業者向け出前講座を実施する予定。12月または2027年1月には、シンポジウムと啓発ポスターの配布も計画している。三重県雇用経済部雇用対策課は、7月13日から相談窓口を運用し、県内企業の方針策定、研修、現場対応を段階別に支援する。

出典

三重県「令和8年度カスタマーハラスメント防止対策推進事業について」
URL:https://www.pref.mie.lg.jp/TOPICS/m0030700665.htm

参考 厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

人権ニュース編集部をフォローする
ビジネス
シェアする
タイトルとURLをコピーしました