カスハラ接触91.3% 直接被害は68.3%

この記事のポイント

1.エフアンドエムネットが企業で働く男女300名を対象にカスハラ調査を実施した。
2.直接被害を受けた人は68.3%、同僚被害の見聞きを含めると91.3%だった。
3.相談窓口やメンタルケア体制が「ない」との回答は44.7%に上った。

300人が回答!カスハラに関するアンケート調査【2026年】

エフアンドエムネット株式会社は5月11日、管理部門向けビジネスメディア「労務SEARCH」で実施したカスタマーハラスメントに関するアンケート調査の結果を公表した。調査は4月8日から22日まで、企業で働く男女300名を対象にインターネットで行った。顧客や取引先からの暴言、長時間のクレーム、過度な要求などが、職場でどの程度発生しているかを尋ねている。

自身がカスハラと思われる行為を受けた経験については、「1〜2回ある」が40.3%、「何度もある」が28.0%で、直接被害を経験した人は計68.3%だった。「自分はないが、職場の同僚が受けているのを見聞きしたことがある」の23.0%を含めると、何らかの形でカスハラに接触した人は91.3%に達する。内容では「暴言・怒鳴り声」が78.5%で最も多く、「長時間・繰り返しの執拗なクレーム」が61.3%で続いた。担当者への個人的な攻撃・中傷、過度な謝罪・土下座の要求、不当な金銭補償の要求も挙がった。

被害や見聞きによる影響では、「強いストレス・精神的な疲弊を感じた」が58.3%を占めた。「仕事へのモチベーションが下がった」は22.0%、「休職・退職を考えた」は3.7%だった。カスハラは、接客や営業の現場で起きる一時的なトラブルではなく、働く人の人格、安全、健康を損なう労働環境上の問題として扱う必要がある。顧客や取引先にも正当な意見表明や苦情申出の機会はあるが、暴言、威圧、執拗な要求、SNS投稿を示唆した脅しが従業員に向かう場合、事業主の対応範囲に入る。

企業側の備えには遅れも見える。カスハラに関する社内方針やマニュアルについて、「あるが、周知が不十分だと感じる」が41.0%で最多、「ない」は30.3%だった。対応時には「上司・責任者がすぐに対応した」が36.3%だった一方、「従業員が1人で対応せざるを得なかった」も26.7%あった。相談窓口やメンタルケア体制は「ない」が44.7%、「あるが、利用しにくい雰囲気がある」が33.0%で、制度があるだけでは実際の保護につながらない職場の状況が示された。

厚生労働省は、令和8年10月1日からカスタマーハラスメント対策と求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策を義務化すると周知している。今回の調査では、この義務化について「今回初めて知った」が51.3%、「義務化は知っているが、準備はまだできていない」が26.7%だった。エフアンドエムネットの調査は、企業が社内マニュアル、相談窓口、研修、上司へのエスカレーション手順を整える段階で、従業員を一人で顧客対応に立たせない仕組みを作れるかを問う結果となった。

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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