
徳島県は、ハンセン病問題への正しい理解を広げるため、「ハンセン病問題を正しく理解するフォーラム」を令和8年6月8日午後2時から4時まで、徳島市のあわぎんホール(徳島県郷土文化会館)4階大会議室で開催する。入場は無料で、誰でも参加できる。プログラムでは、徳島県ハンセン病支援協会会長の徳山富子さんが「ハンセン病問題について」と題して講演し、続いてハンセン病家族訴訟原告団副団長の黄光男さんが「ハンセン病家族の思い~問われているのは誰ですか~」をテーマに語る。
ハンセン病問題は、単に過去の感染症対策の誤りにとどまらない。長期にわたる隔離政策、患者・元患者への偏見、家族に及んだ差別、地域社会からの排除など、日本社会における人権侵害の歴史を考える上で重要な課題である。医学的知見が進んだ後も、誤った理解や恐怖感が社会に残り続けたことにより、本人だけでなく家族も結婚、就職、地域生活などで不利益を受けてきた。今回のフォーラムが「家族の思い」を取り上げる点は、被害を患者本人に限定せず、家族差別の実態まで含めて問題を捉え直す機会となる。
人権啓発の観点からは、ハンセン病問題を「歴史上の出来事」として学ぶだけでは不十分である。感染症や疾病を理由とする偏見は、時代や病名を変えて繰り返される可能性がある。新型コロナウイルス感染症の流行時にも、感染者や医療従事者、その家族への差別的言動が社会問題となった。ハンセン病問題を学ぶことは、疾病への不安が他者の排除や人格否定に結び付く過程を理解し、同じ過ちを繰り返さないための基礎となる。
県民、教育関係者、医療・福祉関係者にとっても、今回のフォーラムは実務的な意味を持つ。学校教育では、病気や障害に関する正しい知識とともに、差別が生まれる社会的背景を学ぶことが求められる。医療・福祉の現場では、支援対象者を疾病名や属性で一面的に捉えず、本人と家族の尊厳、生活史、地域との関係を踏まえた対応が必要となる。参加申込みは、県ホームページのQRコードのほか、メール、FAX、電話で受け付けており、県民が直接当事者・関係者の声に触れる場として活用が期待される。
徳島県「『ハンセン病問題を正しく理解するフォーラム』の開催について」
URL:https://www.pref.tokushima.lg.jp/ippannokata/kenko/iryo/7312904/

