1.フリー・ザ・チルドレン・ジャパンは7月30日~8月5日、中高生10人と職員2人によるフィリピン研修を実施した。
2.先住民族アエタの地域、子どもの保護施設、マニラ首都圏ナボタスなどを訪問した。
3.虐待や貧困などを経験した子どもとの交流では、参加者の学習だけでなく、現地の子どもの安全・プライバシーを守るセーフガーディングが不可欠となる。

認定NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン(FTCJ)は2026年7月30日から8月5日まで、6泊7日のフィリピン・スタディツアーを行った。参加者は中高生10人と職員2人。先住民族アエタの人々が暮らす地域でのホームステイや公立小学校、PREDA Foundationの子ども支援施設、マニラ首都圏ナボタスなどを訪れた。
訪問先には、法律に抵触した経験のある子どもや、家庭内の虐待などから保護された子どもを支援する施設も含まれている。このような場所を教育目的で訪問する際には、訪問者にとって有意義だったかだけを基準にすることはできない。支援を受ける子どもの経験を「見学材料」にしたり、本人が望まない形で経験を共有させたりすれば、二次的な人権侵害を生む可能性がある。
FTCJは2024年、従来のチャイルドプロテクション制度を「セーフガーディング」として改定した。同団体は、子どもや脆弱な立場にある人の人権、安全を守るため、18歳未満と成人それぞれの活動ルール、相談フロー、問題発生時の安全確保と再発防止の仕組みを設けている。活動ルールには、大人と子どもが原則として密室で2人きりにならないことや、個人情報を慎重に扱うことなども明記されている。
子どもの権利条約は、第12条で意見表明、第16条でプライバシー、第19条で暴力・虐待からの保護を定めている。国際協力の研修でも、支援を受ける子どもを一方的な「かわいそうな対象」として描かず、権利を持つ当事者として扱う必要がある。今回のツアーを評価する際も、日本の参加者が何を学んだかだけでなく、FTCJと現地団体のセーフガーディングが交流の全過程でどう運用されたかを見ることが、子どもの権利を扱う研修としての質を判断する材料となる。
フリー・ザ・チルドレン・ジャパン「フィリピン・スタディツアー報告」
URL: https://ftcj.org/news/52124/
フリー・ザ・チルドレン・ジャパン「セーフガーディングポリシー」
URL: https://ftcj.org/policy/safeguarding/
UNICEF「Convention on the Rights of the Child」
URL: https://www.unicef.org/child-rights-convention/convention-text

