1.下関市は8月31日、職員3人を地方公務員法に基づく懲戒処分とし、性的姿態の撮影を繰り返していた34歳の副主任を懲戒免職とした。
2.刑事上の責任と地方公務員法上の懲戒は目的が異なり、市は罰金刑とは別に公務員としての信用失墜行為を判断した。
3.市は被害者側の意向を踏まえて施設名などを公表せず、処分の説明責任と被害者の特定・二次被害防止の双方に配慮した。

下関市は2026年8月31日、保健部試験検査課の副主任、藤井柊作氏(34)を懲戒免職とするなど、職員3人を懲戒処分とした。市によると、藤井氏は2025年10月2日、研修後に立ち寄った神奈川県内の温浴施設の男性更衣室で性的姿態をスマートフォンで撮影した。その後の捜査では、2023年ごろから山口県内でも同様の行為を繰り返していたことが確認された。2026年7月15日には性的姿態等撮影の罪で罰金50万円の略式命令を受け、同月28日に納付した。
ほかの2件では、財政部納税課の40歳代主任が、庁内で不要品として案内されたラベルプリンターを自分の物にする意図で持ち帰り、その後の聞き取りでも事実と異なる説明をしたとして減給10分の1、1カ月の処分を受けた。環境部廃棄物対策課の60歳代環境主任技師は、2025年12月17日の不法投棄パトロール中に公用車で事故を起こし、複数の人身・物損事故につながったとして戒告となった。市は管理監督者にも口頭による厳重注意などを行った。
地方公務員法29条は、法令違反や職務上の義務違反だけでなく、「全体の奉仕者たるにふさわしくない非行」があった場合、任命権者が戒告、減給、停職または免職の懲戒処分を行えると定める。刑事裁判で有罪となれば一律に同じ懲戒処分になる仕組みではなく、行為の態様、結果、公務への信用への影響などを個別に判断する。今回、3件の処分内容が異なるのも、行政上の懲戒がそれぞれの非違行為を個別に評価する制度であるためだ。
性的な姿態を本人の意思に反して撮影する行為を処罰する法律は2023年に施行された。従来、盗撮行為は都道府県の迷惑防止条例などによって対応が分かれていたが、性的姿態等撮影罪の創設によって全国共通の刑事規制が設けられた。下関市は今回、被害者側から施設名などを公表しないよう強い要望があったとして、具体的な場所や被害内容の一部を伏せた。職員処分について市民へ説明する一方、詳細な公表によって被害者が推測されたり、被害が再び拡散されたりすることを避ける対応であり、行政の透明性と被害者のプライバシー保護を同時に扱う事例となった。
下関市「職員の懲戒処分について」
URL:https://www.city.shimonoseki.lg.jp/site/kisya/162188.html
e-Gov法令検索「地方公務員法」
URL:https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000261
法務省「性的な姿態を撮影する行為等の処罰等に関する法律Q&A」
URL:https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00200.html

