1.日本障害フォーラムが2026年5月15日、国連人権高等弁務官との会合で日本の障害分野の課題を報告した。
2.旧優生保護法の被害救済、独立した国内人権機関、個人通報制度、インクルーシブ教育を取り上げた。
3.国連の会議自体における手話通訳の確保も、国際人権制度への参加を左右する課題として示した。

DPI日本会議の報告によると、日本障害フォーラム(JDF)は5月15日、国連人権高等弁務官事務所のフォルカー・ターク高等弁務官らとの会合に参加し、日本の障害分野における人権課題を報告した。DPI日本会議議長の平野みどり氏がJDFを代表し、JDF政策委員の赤松英知氏と長瀬修氏が同席した。会合には性的マイノリティや在日外国人への差別解消に取り組む団体も参加した。
平野氏は、JDFが障害者権利条約の策定、日本の批准、国内実施、国連へのパラレルレポート、国による審査、総括所見のフォローアップに関与してきた経緯を説明した。障害者団体が国際審査に参加し、政府報告だけでは把握しにくい制度運用や当事者の経験を国連へ伝える役割を示した。
国連側のアクセシビリティも報告対象となった。ろう者で障害者権利委員会委員の田門浩氏が3月の会議に参加するための手話通訳費用について、JDFが寄附などを募り支援したという。8月の会議では国連予算で手話通訳者2人が配置される予定とされた。権利を審査する国際機関であっても、意思疎通手段が確保されなければ、障害のある委員の平等な参加が制限される。
旧優生保護法をめぐっては、障害者権利委員会が2022年の総括所見で、日本社会に残る優生学的・能力主義的な考え方に言及したことを紹介した。平野氏は、2024年の最高裁判決や、その後の補償法に基づく検証に触れ、謝罪、補償、記録保存、教育、再発防止を国際人権基準に沿って進める必要があると報告した。
制度面では、日本に独立した国内人権機関がなく、障害者権利条約の選択議定書を批准していないことを挙げた。国内の裁判や行政相談で十分な救済を得られない場合、条約機関に個人として申立てを行う制度を日本は受け入れていない。JDFは、国内人権機関を監視、是正、市民社会との対話を担う基盤として説明した。
教育については、障害のある子どもと障害のない子どもが共に学ぶ環境が実現していないとの認識を示した。インクルーシブ教育は、同じ教室に在籍させることだけではなく、必要な合理的配慮や支援を受け、授業や学校生活へ実質的に参加できるかを問う。JDFは、障害者権利条約の国内実施、被害救済、教育制度を一体の課題としてOHCHRに報告し、対話の継続を申し入れた。
DPI日本会議「国連人権高等弁務官との会合で、JDFとして障害分野の人権課題を報告しました」
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