1.沖縄県は、こども家庭庁が公表した「こまもろうシステムマニュアル」の素案を教育・保育関係者向けに周知した。
2.こども性暴力防止法は2026年12月25日に施行され、学校や対象事業者などに児童対象性暴力を防止する複数の措置を課す。
3.犯罪歴確認だけを「日本版DBS」の本体と考えるのではなく、研修、相談体制、安全確保、早期把握を含む制度として運用する必要がある。

沖縄県は2026年8月31日、こども家庭庁が公表した「こども性暴力防止法」の施行に向けた「こまもろうシステムマニュアル(素案)」を県ホームページで周知した。県が独自にマニュアルを策定したものではなく、教育・保育などの関係者をこども家庭庁の通知や資料へ案内する内容である。12月の法律施行を前に、対象となる事業者がシステム利用などの実務準備を進める段階に入った。
正式名称を「学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律」というこども性暴力防止法は、2024年に成立し、2026年12月25日に施行される。学校設置者などへの義務と、一定の民間教育保育等事業者が認定を受ける制度を設け、子どもに対する性暴力を防止する仕組みを整える。
「日本版DBS」という呼称から、過去の性犯罪歴を確認する制度だけが注目されやすい。しかし、犯罪として立件されていない行為や、初めて性暴力に及ぶケースを犯罪歴確認だけで把握することはできない。制度は、安全確保のための措置、研修、相談体制、児童対象性暴力の兆候の把握などを組み合わせる構造になっている。こども家庭庁の施行準備検討会でも、システムマニュアルだけでなく、義務対象事業者向け・認定事業者向けの運用資料が検討されている。
施行後の制度評価で、犯罪歴照会の件数だけを見るのは適切ではない。子どもが被害や違和感を訴えられる相談方法があるか、職員が兆候を把握した際に組織へ報告できるか、事業者が職員と子どもの接触環境を点検しているか、被害が疑われた場合に子どもの安全を優先できるかが問われる。沖縄県の今回の周知についても、システム操作の準備だけでなく、学校や教育・保育現場で組織全体の性暴力防止手順を12月25日までに整備できるかが実務上の課題となる。
沖縄県「こども性暴力防止法の施行に向けたこまもろうシステムマニュアル(素案)について」
URL:https://www.pref.okinawa.lg.jp/kyoiku/shogaifukushi/1007022/1018749/1041305.html
こども家庭庁「こども性暴力防止法」
URL:https://www.cfa.go.jp/policies/child-safety/efforts/koseibouhou
こども家庭庁「こども性暴力防止法施行準備検討会」
URL:https://www.cfa.go.jp/councils/koseibo-jumbi/4cef2a90
こども性暴力防止法/日本版DBS
URL:https://jinken-news.com/glossary/kodomo-sexual-violence-prevention-law/
子どもの権利
URL:https://jinken-news.com/glossary/childrens-rights/

