茨城の異業種6社、ダイバーシティ共同推進 人材・GXでも連携

この記事のポイント

1.常陽銀行と茨城県内の異業種5社が、地域課題に共同で取り組む「サステナブル推進コンソーシアム」を発足させた。
2.人材採用、ダイバーシティ、GXの3分野にワーキンググループを設け、合同研修や採用活動、脱炭素策を検討する。
3.ダイバーシティ分野では女性のキャリア形成が当面の課題に挙がるが、対象範囲や数値目標は公表されていない。

「サステナブル推進コンソーシアム」の発足

常陽銀行は2026年7月13日、茨城県内に本拠を置く異業種5社と「サステナブル推進コンソーシアム」を発足させた。参画したのは、暁飯島工業、ケーズホールディングス、香陵住販、ジョイフル本田、常陽銀行、助川電気工業の6社。各社が競争関係にない分野で知見や技術を共有し、「人材採用」「ダイバーシティ」「GX(グリーントランスフォーメーション)」の3テーマごとにワーキンググループを設ける。発足式は水戸市南町の常陽銀行本店で開かれ、6社の経営トップが参加した。

人材採用の分野では、共同会社説明会やインターンシップによって学生との接点を増やす案が示された。ダイバーシティでは、女性管理職の実例や身近なロールモデルが少なく、1社だけでは継続的なキャリア形成支援を組みにくいという課題を共有し、6社合同の研究会やセミナーを検討する。GXでは、二酸化炭素排出量の削減手法を共有するほか、工場や店舗の屋根に設置した太陽光発電設備の電力を共同利用する構想も挙がっている。建設、家電販売、不動産、ホームセンター、金融、電気機器という異なる業種を組み合わせた点が今回の枠組みの特徴である。

企業のダイバーシティ施策は、人材確保や競争力の問題であると同時に、採用、配置、昇進、就業継続の各段階で公平な機会を確保する取組でもある。経済産業省はダイバーシティ経営について、性別、年齢、人種・国籍、障害の有無、性的指向、宗教・信条、価値観に加え、キャリア、経験、働き方の違いも含む多様な人材が能力を発揮できる機会を提供し、価値創造につなげる経営と説明している。常陽銀行も企業倫理の中で、すべての人の人権を尊重し、多様な人材の活躍と柔軟な働き方を進める方針を掲げている。

ただし、発足時の公表資料は「ダイバーシティ」を三つの活動テーマの一つに掲げるにとどまり、対象とする属性、具体的な事業、数値目標、成果の公表方法までは示していない。女性のキャリア形成を出発点とする場合でも、管理職比率だけでなく、採用過程の公平性、育児・介護との両立、障害のある人への合理的配慮、性的指向や性自認に関するハラスメント防止など、企業ごとに異なる制度と職場環境を点検する必要がある。複数企業で研修や事例を共有できれば、単独企業では確保しにくい講師、参加者、ロールモデルを地域内で補完できる。

コンソーシアムは今後、各テーマの会合を定期的に開き、取組の成果を地域へ還元するとともに、趣旨に賛同する企業の参加拡大も検討する。まずは6社合同の研究会やセミナーが、各社の人事制度や職場対応のどこを変えたのかを明らかにすることが、地域企業の協働を雇用上の公平へ結び付ける基礎となる。

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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