1.横須賀市は、性的指向や性自認に関する悩みに応じる「よこすかLGBTs相談」を実施している。
2.本人だけでなく、家族、市内の学校・企業・施設などの支援者も相談できる。
3.相談支援は、性的マイノリティの孤立を防ぎ、地域の支援者が適切に対応するための基盤となる。

横須賀市は、性的指向や性自認に関する専門相談「よこすかLGBTs相談」を、月曜日から金曜日の午前10時から午後6時まで実施している。相談は祝日などの休日を除いて受け付ける。本人や家族の相談会場は、横須賀市総合福祉会館5階の「デュオよこすか」相談室ほか。市内の学校、企業、施設などで支援に関わる人については、相談員が支援者のもとに出向いて相談を受ける。
対象は、同性または男女両方が好き、性別に違和感があるなど、性的指向や性自認に関する悩みを持つ人、迷っている人、その家族、市内で支援に関わる人とされている。相談時間は45分で、原則として1人1回のみ。相談は無料で、年齢制限はない。予約はインターネットのほか、横須賀市人権・ダイバーシティ推進課への電話で受け付ける。電話予約は月曜日から金曜日の午前9時から午後5時までで、希望日の3日前までに連絡し、相談希望日を3日程度伝える必要がある。
相談員は、NPO法人の臨床心理士など専門の相談員が担う。性的指向や性自認に関する悩みは、家族関係、学校生活、職場環境、医療機関の利用、地域での人間関係など複数の場面に及ぶ。本人が相談先を見つけにくい場合、行政が専門相談を明示することは、孤立の予防につながる。とりわけ未成年者や若年層では、身近な人に打ち明ける前段階で、安全に話せる窓口があるかどうかが支援への接続を左右する。
支援者を対象に含めている点も特徴である。学校教職員、企業の人事・労務担当者、福祉施設の職員などは、当事者から相談を受ける立場になり得るが、知識不足や不用意な対応により、本人の意思に反して性的指向や性自認を周囲に伝えるアウティングにつながる危険もある。支援者向けの相談は、個別事案への助言だけでなく、現場での対応基準を整える役割を持つ。
制度面では、2023年に性的マイノリティ理解増進法が施行され、国や地方公共団体、事業主、学校に対し、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する理解増進が促されている。ただし、理解の促進は研修や啓発だけで完結しない。横須賀市の「よこすかLGBTs相談」は、人権・ダイバーシティ推進課が窓口となり、本人、家族、支援者を同じ制度の中で受け止める相談施策として運用されている。

