1.「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」が、次期学習指導要領に子どもの権利を反映するよう文部科学省へ要望した。
2.総則、教員養成、特別活動、道徳の4分野で、意見表明、学校運営への参画、差別防止、セーフガーディングなどを提案した。
3.7月中旬に子どもの意見を集め、7月末頃に要望書第2版を提出する予定で、意見の反映方法も論点となる。

「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」は6月18日、次期学習指導要領の改訂に子どもの権利を反映するよう求める4通の要望書を文部科学省へ提出した。実行委員会から国際子ども権利センター(C-Rights)の甲斐田万智子さん、小澤孝江さん、フリー・ザ・チルドレン・ジャパンの中島早苗さん、共同事務局ACEの成田由香子さん、古川瑞紀さんの5人が参加し、文科省職員3人と意見を交わした。要望は「総則」「教員養成」「特別活動」「道徳」の4分野に分けている。
総則に関する要望書は、教育課程の編成と実施に当たり、子どもを保護や指導の対象だけでなく「権利の主体」として扱うことを明記するよう要請した。子どもの最善の利益、意見表明・参加、差別の禁止を教育の基盤とし、児童生徒が学習計画の作成や振り返りに加わる仕組みも提案する。障害者権利条約の理念と社会モデル、海外にルーツを持つ子どもの文化・宗教的背景、心理的安全性を学習指導要領に盛り込む内容も含む。
教員養成では、全教員が担当教科を問わず子どもの権利に基づく教育を実践できるよう、教職課程で子どもの権利教育を必修化する案を示した。「権利には先に義務を果たす必要がある」との誤解を解き、子どもの言葉だけでなく表情や行動から意思を読み取る傾聴・観察の技能、暴力や虐待、いじめ、性的搾取、オンライン被害などを防ぐセーフガーディングを学ぶカリキュラムを提起している。
特別活動については、児童会・生徒会を校則や学校運営への意見表明と参画の場とし、学校行事も教員が計画して子どもが実行する方式から、目的や内容、方法を子どもが構想する方式へ改めるよう要望した。学級活動では、安易な多数決ではなく少数意見を検討し、対話によって「納得解」をつくる手続きを掲げる。道徳では、善悪や心情理解だけに閉じず、人権、差別防止、ジェンダー平等、デジタル空間の権利、対話と合意形成を扱う教育への再編を提案した。
文部科学省は、2026年夏頃に各教科等の具体的な方向性をまとめ、同年度内に中央教育審議会の答申を取りまとめる日程を想定している。キャンペーンは6月23日に賛同団体向け説明会を開き、7月中旬に子どもの意見を集め、7月末頃に要望書第2版を提出する予定だ。子どもの権利条約第12条は、自分に関係する事柄について意見を表し、その意見を尊重される権利の根拠となる。初版提出後に意見を収集する今回の工程では、第2版で、誰のどの意見をどう反映したかを具体的に示すことが、提言自体の説得力を左右する。
広げよう!子どもの権利条約キャンペーン「文部科学省へ『学習指導要領改訂に関する要望書』を提出しました」
URL:https://crc-campaignjapan.org/report/20260618/
参考 次期学習指導要領改訂に向けた要望書「子どもを主語にした学びへ」
URL:https://crc-campaignjapan.org/wpCRCcp/wp-content/uploads/2026/06/Requirement_202606_1.pdf
参考 次期学習指導要領改訂に向けた要望「教員養成」
URL:https://crc-campaignjapan.org/wpCRCcp/wp-content/uploads/2026/06/Requirement_202606_2.pdf
参考 次期学習指導要領改訂に向けた要望「特別活動を『子どもの権利の学びと実践の機会』へ」
URL:https://crc-campaignjapan.org/wpCRCcp/wp-content/uploads/2026/06/Requirement_202606_3.pdf
参考 次期学習指導要領改訂に向けた要望「『道徳』に『子どもの権利・人権教育』を!」
URL:https://crc-campaignjapan.org/wpCRCcp/wp-content/uploads/2026/06/Requirement_202606_4.pdf
参考 文部科学省「学習指導要領等の改訂に関するスケジュール(イメージ)」
URL:https://www.mext.go.jp/content/20251215-mxt_kyoiku01-000046335-07.pdf

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