1.ユカリアが次世代育成支援対策推進法に基づく「くるみん認定」を取得した。
2.男性の育児休業取得率30%以上、月平均の法定外残業30時間以内などを目標に掲げた。
3.認定後は、取得期間や復職後の配置、周囲への業務負担を含む運用の検証が課題となる。

株式会社ユカリア(東京都千代田区、三沢英生代表取締役社長)は2026年6月30日付で、次世代育成支援対策推進法に基づく「くるみん認定」を厚生労働大臣から取得した。同社は、性別を問わず仕事と子育てを両立できる職場づくりをDEI施策の一つとして進め、男性の育児休業取得率30%以上、全社員の1か月当たり平均法定外残業時間30時間以内などを一般事業主行動計画の目標に掲げていた。
取り組みを担ったのは、2023年6月に社員で発足したDEIタスクフォースを前身とする「DEIプロジェクト」だ。制度の周知だけでなく、管理職による対象社員への個別フォロー、社内の優れた実践の表彰、制度・ルールの見直しと組織文化の改善を組み合わせた。ユカリアグループは、株式会社JobRainbowの「D&I検定3級」の全社受検を2023年から進め、2024年1月には「パートナーシップ制度」も導入している。
くるみん認定は、企業が一般事業主行動計画を策定し、計画期間中の目標を達成したうえで、育児休業の取得状況や労働時間などの基準を満たした場合に申請できる制度である。常時雇用する労働者が101人以上の企業には、行動計画の策定と都道府県労働局への届け出が義務付けられている。2025年4月には認定基準が改正され、通常のくるみんでは男性の育児休業取得率が10%以上から30%以上へ引き上げられ、働き方に関する基準も厳格化された。
ただし、認定は、すべての部署や社員が常に支障なく制度を利用できることまで保証するものではない。企業が掲げる平均残業時間の目標と、くるみんの認定基準で確認される労働時間の要件も同一ではない。育児休業を申し出た社員が業務配分や昇進で不利益を受けないか、休業取得者を支える同僚に負担が集中していないか、男性社員が短期間の取得に偏っていないかを、取得率とは別に確認する必要がある。休業を利用しない社員も含めて業務を再設計しなければ、両立支援が特定の部署や個人の善意に依存する状態が残る。
仕事と子育ての両立は、福利厚生の充実だけでなく、家族的責任を理由とする雇用上の不利益を防ぎ、男女の固定的な役割分担を緩和する課題でもある。男性の育児休業を制度上可能にするだけでなく、実際に取得できる職場環境を整えることは、育児負担が女性側に偏る構造の修正にもつながる。ユカリアは「制度・ルール整備」と「文化・カルチャー醸成」を継続するとしている。認定後の実効性は、DEIプロジェクトが育児休業の取得期間、復職後の配置、管理職の対応、部署ごとの残業状況をどこまで点検し、現場の運用改善へ反映するかによって測られる。
株式会社ユカリア「子育てサポート企業として『くるみん認定』を取得」
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000204.000022624.html
参考資料 厚生労働省「次世代育成支援対策推進法」
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11367.html

