ゲノム医療推進法から考える、遺伝情報と差別防止

ゲノム情報(遺伝情報)に関する偏見や差別

2023年6月16日、ゲノム医療推進法が公布・施行された。ゲノム医療の普及に伴い、個人の遺伝情報を活用した診断や治療の可能性が広がる一方で、就職、保険加入、日常生活などで遺伝情報による不当な差別やプライバシー侵害が生じないようにすることが求められている。

ゲノム情報は、本人の将来の健康リスクに関わるだけでなく、血縁者にも関連し得る極めて機微な情報である。医療の進歩により、病気の予防や治療につながる可能性がある一方、知識不足や誤解によって、雇用、保険、結婚、家族関係などで不利益な扱いが生じるおそれがある。制度の背景には、医療の発展と人権保護を両立させる必要性がある。

人権の観点では、本人同意、情報管理、説明と相談支援、差別防止の仕組みが重要である。医療機関、研究機関、企業、保険関係者、教育関係者は、ゲノム情報を安易に評価や選別に用いない姿勢を徹底する必要がある。ゲノム医療推進法の節目は、科学技術の進展を人の尊厳と権利に結び付けて考える機会となる。

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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