
国際協力NGOジョイセフはこのほど、性と生殖に関する健康と権利(SRHR)の推進に向け、所属政党や会派を超えた超党派のネットワーク「SRHR推進地方議員連盟」を発足すると発表した。PR TIMESで配信された発表によると、包括的性教育、若者支援、性暴力予防など、SRHRに関わる課題への関心が日本各地で高まる一方、必要な知識や支援、制度へのアクセスが十分に整っていない現状があるとしている。ジョイセフは、住民に近い政策立案者である地方議員と連携し、地域から課題解決を進めるため、同議連の設立を後押しした。
SRHRは、妊娠・出産、避妊、月経、性感染症、性的同意、性暴力、ジェンダー、性の多様性など、身体と人生の自己決定に関わる幅広い権利概念である。ジョイセフは、SRHRについて「自分の体、性や生殖について、誰もが十分な情報を得られ、自分の望むものを選んで決められること」と説明している。これは医療や教育の問題にとどまらず、子ども・若者が正確な知識にアクセスできるか、性暴力の被害者が孤立せず支援につながれるか、自治体が相談・啓発・教育施策をどう設計するかという人権課題でもある。
SRHR地方議連は、地方議員向けの勉強会や情報共有、条例案・政策ガイドラインに関する情報提供、他自治体の好事例の共有、エビデンスに基づく政策提言の支援などを行うとしている。ジョイセフは、これまで国内外でSRHR推進に取り組み、日本国内でも学校や自治体と連携し、月経、避妊、性的同意、ジェンダーなどを切り口とした対話型の学びを展開してきた。今回の議連発足は、各地で進み始めた個別の実践を、地域間で共有し、政策として実装していく枠組みづくりと位置付けられる。
キックオフとして、2026年5月13日20時から21時まで、地方議員を対象にしたオンライン勉強会「地方議員のためのSRHR勉強会」第1回が開催される。テーマは、子ども・若者が自分らしく生き、誰も被害者にも加害者にもならない社会をつくるために、地域で何ができるかである。内容には、SRHRの基礎、包括的性教育、国際的な政策動向と科学的エビデンス、国内の自治体・学校の実践例、地域や議会での導入・推進の具体的アプローチが含まれる。参加費は無料、定員は50人で、申込締切は2026年5月7日正午とされている。
人権の観点から重要なのは、SRHRを「個人の自己責任」や「家庭内の問題」に閉じ込めず、地方公共団体の施策として扱う視点である。学校現場では包括的性教育の扱い方、福祉・保健分野では若年妊娠、月経困難、性暴力被害、孤立する若者への相談支援、議会では予算措置や条例・計画への反映が課題となる。地方議員が正確な知識と他自治体の実践例を共有することは、地域差の大きいSRHR施策を底上げする契機となり得る。今後は、勉強会やネットワーク形成が、実際の相談体制、教育機会、被害予防策、当事者支援にどのように結び付くかが問われる。
国際協力NGOジョイセフ(JOICFP)
URL:https://www.joicfp.or.jp/jpn/2026/04/30/58865/

