1.株式会社むらせが、カスタマーハラスメントなどを容認しない企業方針を2026年8月3日付で公表した。
2.生産者、販売者、生活者を結ぶ米のサプライチェーンを対象に、対等で健全な取引関係を掲げた。
3.2026年10月1日のカスタマーハラスメント対策義務化を前に、方針を現場の判断基準へ落とし込めるかが課題となる。

株式会社むらせは8月3日、「カスタマーハラスメントに対する企業方針」を策定した。改正労働施策総合推進法などを受け、顧客や取引先からのカスタマーハラスメントに加え、求職者等へのセクシュアルハラスメントを含む、ハラスメントのない職場づくりを進める。むらせグループの理念を基礎に、従業員が誇りを持って働ける企業を目指すとしている。
方針では、生産者から仕入れた米の価値を守り、販売者を「お米を消費者に届ける大切なパートナー」として尊重すると明記した。生活者に安全な品質を届けることと併せ、生産者から生活者までを結ぶ「食のサプライチェーン」の健全な維持を優先し、関係者との対等なパートナーシップを掲げている。一般消費者への対応だけでなく、調達、販売、物流を含む取引関係全体に企業姿勢を広げた点が特徴となる。
同社は、2026年1月に施行された中小受託取引適正化法、通称「取適法」を含む関係法令の精神に沿い、理不尽な要求や従業員の心理的安全性を脅かす行為を容認しないとした。取適法は、発注者と受注者の対等な関係を基礎とし、協議に応じない一方的な代金決定などを規制する。むらせの方針は、顧客対応上の迷惑行為と、不公正な事業者間取引を、健全なサプライチェーンという共通の枠組みで扱っている。
改正労働施策総合推進法に基づくカスタマーハラスメント防止措置は、2026年10月1日から事業主の義務となる。顧客等の言動が社会通念上許容される範囲を超え、労働者の就業環境を害する場合が対象であり、正当な苦情や品質への指摘まで排除する制度ではない。企業には、方針の周知、相談体制、事実確認、被害者への配慮、顧客や取引先への対応手順を整える必要がある。
むらせの文書は、従業員保護に加えて、生産者、販売者、生活者の関係を企業方針に明記した。一方、相談窓口、調査手順、取引停止を含む対応基準など、具体的な運用方法は今回の資料には示されていない。株式会社むらせが、米の仕入れや販売の現場で方針をどのように周知し、正当な交渉と不当な要求を区別するかが、方針の実効性を左右する。
株式会社むらせ「カスタマーハラスメントに対する企業方針」の策定
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厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html
公正取引委員会「中小受託取引適正化法(取適法)関係」
URL:https://www.jftc.go.jp/partnership_package/toritekihou.html
