犯罪被害者月間、11月1日から初の全国展開 支援センターが啓発

この記事のポイント

1.全国被害者支援ネットワークと全国の犯罪被害者支援センターは、11月1日から12月1日まで街頭活動や講演会などを展開する。
2.2026年3月決定の第5次犯罪被害者等基本計画で、従来の11月25日~12月1日の「犯罪被害者週間」が1カ月へ拡大された。
3.2026年度は国の制度として初の「犯罪被害者月間」となり、啓発だけでなく相談・生活支援へつなぐ仕組みが問われる。

全国被害者支援ネットワークのロゴ

公益社団法人全国被害者支援ネットワークは2026年9月、全国の犯罪被害者支援センターとともに、11月1日から12月1日まで「犯罪被害者月間」の広報啓発活動を実施すると案内した。公表された一覧では、全国各地で街頭キャンペーン、講演会、パネル展示、募金活動などが予定されている。犯罪被害者や家族・遺族が置かれた状況と、民間支援センターの存在を地域住民へ伝える機会となる。

2026年度には、この期間の制度的な意味も変わった。2005年に決定された最初の犯罪被害者等基本計画では、犯罪被害者等基本法の成立日に当たる12月1日までの1週間、11月25日から12月1日を「犯罪被害者週間」としていた。2026年3月17日に閣議決定された第5次犯罪被害者等基本計画は、広報啓発を強化するためこれを月間化し、毎年11月1日から12月1日を「犯罪被害者月間」とした。計画期間は2026年4月1日から2031年3月31日までで、2026年度が国の制度として最初の月間となる。

期間を延ばす背景には、犯罪被害が刑事事件の終了だけでは解消しないという問題がある。被害者や家族・遺族には、身体的・心理的被害のほか、医療費や転居、休職・離職、裁判への対応、周囲の心ない言動など、事件後にも複数の負担が生じることがある。第5次基本計画は国が総合的に施策を進める基礎となり、民間被害者支援団体との連携も支援の一部を構成する。全国被害者支援ネットワークは、全国共通ナビダイヤル「0570-783-554」を通じて各地の支援センターなどへ相談をつなぐ仕組みも設けている。

月間化の成果を、イベント数や啓発物の配布数だけで測るのは十分ではない。犯罪被害者が自分の地域に相談機関があることを知ったか、警察、自治体、医療、法律、民間支援の間で途切れず支援を受けられるか、周囲の言動による二次的な被害を減らせたかまで確認する必要がある。11月1日から始まる全国被害者支援ネットワークの活動は、第5次犯罪被害者等基本計画による「犯罪被害者月間」を地域の支援アクセスへつなぐ最初の全国的な実践となる。

出典

全国被害者支援ネットワーク「犯罪被害者月間 広報啓発活動のご案内」
URL: https://www.nnvs.org/news/post-16956/

全国被害者支援ネットワーク「2026年度広報啓発活動一覧」
URL: https://www.nnvs.org/wp-content/uploads/2026/09/020f4a668fffebf6da06ca43f9a05511.pdf

警察庁「犯罪被害者月間」
URL: https://www.npa.go.jp/hanzaihigai/koukei/week.html

警察庁「犯罪被害者等基本計画」
URL: https://www.npa.go.jp/hanzaihigai/shiryou/keikaku/index.html

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、裁判所、企業、公益団体、国際機関などが公表する一次情報を確認し、差別、子ども、障害者、高齢者、教育、福祉、司法・制度、外国人、ビジネスと人権などに関するニュース、制度解説、独自調査を発信しています。記事では出典を明示し、事実関係を確認したうえで、関連する法制度や統計、過去の経緯などを参照しながら、人権上の論点や社会的背景を整理しています。

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