JDF、国連人権高等弁務官に障害者政策の課題報告 救済制度強化を訴え

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1.日本障害フォーラムが5月15日、国連人権高等弁務官との会合で国内の障害者政策を報告した。
2.旧優生保護法被害の救済、独立した国内人権機関、障害者権利条約選択議定書などを取り上げた。
3.2022年の国連勧告が示したインクルーシブ教育の遅れや、国際会議の手話通訳確保も課題とした。

国連人権高等弁務官との会合で、JDFとして障害分野の人権課題を報告

DPI日本会議は2026年7月10日、日本障害フォーラム(JDF)が5月15日に国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)との会合へ参加し、日本の障害者をめぐる人権課題を報告したと公表した。JDFを代表してDPI日本会議議長の平野みどり氏が発言し、JDF政策委員の赤松英知氏と長瀬修氏が同席した。同日、ヴォルカー・ターク国連人権高等弁務官は外務省で第4回日・OHCHR政策協議に出席し、堀井巌外務副大臣とも面会している。

平野氏は、障害者権利条約の国内実施を軸に、旧優生保護法による被害、独立した国内人権機関の不在、障害者権利条約選択議定書の未批准、インクルーシブ教育の遅れを取り上げた。旧優生保護法については、2024年の最高裁判決と補償金等支給法を前進と評価しつつ、被害者が救済に至るまで長期間を要した事実を指摘した。謝罪や補償だけでなく、記録の保存、教育、再発防止を国際人権基準に沿って進めるべきだと訴えた。

国連障害者権利委員会は2022年の日本に対する総括所見で、パリ原則に適合する国内人権機関が存在しないことを問題として挙げ、幅広い人権保護権限と十分な人的・財政的資源を備えた機関の設置を勧告した。障害者権利条約の選択議定書についても批准を促し、インクルーシブ教育では、障害のある子どもが通常学校への入学を拒まれない制度と、合理的配慮、個別支援を保障する全国的な行動計画を示すよう求めている。

国内人権機関と選択議定書は、同じ救済制度ではない。国内人権機関は、政府から独立して人権状況を監視し、申立てや調査、政策提言を担う国内制度である。選択議定書は、国内の救済手段を尽くした後、条約上の権利侵害を障害者権利委員会へ申し立てる国際的な手続を設ける。JDFの報告は、日本では国内と国際の双方で、障害者が権利侵害を訴える経路が十分に整っていないという問題を示した。

会合では、国連の予算不足によって障害者権利委員会の手話通訳費用が確保されなかった問題も報告された。JDFは2026年3月の会議に向けて通訳同行を支援し、8月の会議では国連予算で手話通訳者2人が配置される予定だという。国際機関自身が合理的配慮を欠けば、障害のある委員の審議参加が妨げられる。DPI日本会議は、独立した国内人権機関、選択議定書、インクルーシブ教育の3課題について、JDFとしてOHCHRとの対話を続ける考えを示した。

出典

DPI日本会議「国連人権高等弁務官との会合で、JDFとして障害分野の人権課題を報告しました」
URL:https://www.dpi-japan.org/blog/workinggroup/advocacy/ohchr_jdf/

参考 外務省「第4回日・国連人権高等弁務官事務所政策協議の開催(結果)」
URL:https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press5_000188.html

参考 国連障害者権利委員会「日本の第1回政府報告に関する総括所見」
URL:https://docstore.ohchr.org/SelfServices/FilesHandler.ashx?enc=ufJWuD9UDa1d6Bt4KROEKtFsmJihhPW8Bd7m8eX2YuSJ7m24cdVAW65j4qpZdUH2gYyKCCxY65BM%2Fv%2BdlAZgvA%3D%3D

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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