1.DPI日本会議は5月30日、31日、第41回DPI日本会議全国集会を開き、全国から約200人が参加した。
2.全体テーマは「障害者権利条約を羅針盤に新たな40年へ」。小規模店舗のバリアフリーや地域移行、障害女性、成年後見制度を扱った。
3.障害者施策を制度改正だけでなく、地域生活、店舗利用、子育て、意思決定支援の実態から点検する集会となった。

DPI日本会議は5月30日と31日、第41回DPI日本会議全国集会「障害者権利条約を羅針盤に新たな40年へ」を開催し、全国から約200人が参加したと6月2日に報告した。会場は東京都新宿区の戸山サンライズ。DPI日本会議は1986年の結成以来、障害当事者を主体に、国内外の障害者の権利確立と自立生活の保障を掲げ、制度・政策提言や国際交流に取り組んできた団体である。
1日目の全体会では、「食べたいものでお店を選べる社会へ!~小規模店舗と歴史的建造物のバリアフリー義務基準の策定を~」をテーマに、小規模店舗のバリアフリー整備や歴史的建造物のアクセシビリティを議論した。DPI日本会議は、公共交通機関や一部施設の整備が進んだ一方、小規模店舗や共同住宅では進展が乏しく、移動はできても店に入れない、住める住宅がない状況が続いていると問題提起している。
2日目は分科会を実施した。地域生活分科会では、入所施設と自立生活センターが連携した地域移行を取り上げた。障害女性分科会では、障害者の子育ての権利と、今も残る優生思想を議題とした。権利擁護分科会では、成年後見制度の見直しと、意思決定支援・権利保障のあり方を議論した。
今回の集会で示された論点は、障害者施策を「福祉サービス」の枠に閉じ込めず、日常生活の権利として捉え直す点にある。飲食店を選ぶこと、地域で暮らすこと、子どもを産み育てること、契約や財産管理をめぐって本人の意思を尊重されることは、いずれも生活の細部に現れる権利である。障害者権利条約は、こうした場面を、本人の努力や周囲の善意ではなく、社会側の制度設計と合理的配慮の問題として問い直す基準になる。
とくに小規模店舗のバリアフリーは、地域生活の実感に直結する。大規模施設や交通機関の整備だけでは、障害のある人が地域で同じように暮らす条件は整わない。歴史的建造物についても、文化財保護とアクセシビリティを対立的に扱うのではなく、誰がその場に入れるのか、誰が排除されるのかを具体的に検討する必要がある。
DPI日本会議は、当日の全体会と分科会の詳細な報告を改めてホームページで公表するとしている。第41回全国集会は、DPI日本会議の40年の歩みを踏まえ、バリアフリー、地域移行、障害女性、成年後見制度という複数の課題を、障害者権利条約の実施状況から確認する場となった。

