1.イプソスが世界26か国の1万9,019人を対象とした「LGBT+ Prideレポート2026」を公表した。
2.日本では同性婚を認める回答が34%、婚姻以外の法的承認を認める回答が27%だった。
3.差別から守るべきとの回答は63%だったが、雇用や教育などで差別を禁じる法律への支持は41%にとどまった。

市場調査会社イプソスは6月24日、世界26か国の1万9,019人を対象とした「LGBT+ Prideレポート2026」の日本語版を公表した。調査は4月24日から5月8日までオンラインで実施。2025年から大きく変わらない項目が多く、同社はLGBT+の権利や社会的受容に関する意識が「安定傾向」にあると分析した。ただし、2021年との比較では、企業による平等推進やトランスジェンダー選手の競技参加などへの支持が低下している。
日本では、同性カップルに法律婚を認めるべきだとの回答が34%、婚姻とは別の法的承認を認めるべきだとの回答が27%だった。「いずれの法的承認も認めるべきではない」は10%、「分からない」は29%。法律婚への支持はオランダの80%、スペインの74%、スウェーデンの73%を大きく下回ったが、婚姻以外を含め何らかの法的承認を認める回答は日本で計61%となる。法律婚への賛否だけで結果を整理すると、回答者の意識の違いを捉えにくい。
差別に関する設問でも、質問の形式によって数字が分かれた。日本では、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアルの人を雇用、住宅、店舗利用などの差別から守るべきだとの回答が63%だった。これに対し、LGBTの人への差別を雇用、教育、住宅、社会サービスなどで禁じる法律への支持は41%で、反対は15%。二つの設問は対象や文言が異なるため単純比較できないが、差別からの保護という原則と、法規制という具体的手段への回答に差が生じている。
日本では2023年、性的指向・ジェンダーアイデンティティ理解増進法が施行された。内閣府は同法について、国や地方公共団体、事業主などの役割と努力義務を定めた理念法であり、差別を禁止する規定は設けていないと説明している。今回の調査で示された41%は、現行法への評価を直接尋ねた数字ではないものの、理解促進と差別禁止を別の政策課題として検討する必要性を示す材料となる。
企業やブランドがLGBTの平等を積極的に推進することへの支持は、日本で37%、反対は15%だった。支持は2021年の45%から8ポイント下がったが、反対が多数を占めたわけではない。テレビ、映画、広告でLGBTの登場人物を増やすことへの支持は17%、反対は24%。性自認に基づくトランスジェンダー選手の競技参加は支持17%、反対42%だった。この設問は競技種目、年齢、競技レベルを区分しておらず、回答を個別競技の参加基準へ直接当てはめることはできない。
調査結果を読む際には、各国平均が人口規模に応じて加重された「世界全体」の数字ではない点にも留意が要る。日本の回答者は約1,000人で、イプソスが示す信用区間はプラスマイナス3.5ポイント。2025年からの小幅な増減だけで意識の転換を判断するのは難しい。イプソスの2026年調査は、日本で差別からの保護に63%が同意する一方、具体的な法制度や企業活動、メディア表現では支持の幅が異なる現状を示した。
イプソス株式会社「LGBT+の権利への意識は安定化―イプソス、世界26か国調査を発表」
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000167.000122181.html
参考 イプソス「イプソス Pride Report 2026」
URL:https://www.ipsos.com/ja-jp/ipsos-pride-report-2026
参考 イプソス「LGBT+ Pride Survey Report 2026」
URL:https://www.ipsos.com/sites/default/files/ct/news/documents/2026-06/ipsos-lgbt-plus-pride-surey-report-2026.pdf
参考 内閣府「性的指向・ジェンダーアイデンティティ理解増進法に関するQ&A」
URL:https://www8.cao.go.jp/rikaizoshin/qa/index.html
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