1.千葉県教育委員会は、令和7年度「ハラスメント等に関する実態調査」の結果を公表した。
2.児童生徒414,373人の回答のうち、教職員からのハラスメント等や不適切なかかわりがあったとの回答は3,390人だった。
3.令和7年度は、児童生徒の申し出件数をそのまま公表する方法に変更しており、過年度との単純比較には注意が必要となる。

千葉県教育委員会は2026年6月10日、令和7年度に実施した「ハラスメント等に関する実態調査」の結果を公表した。対象は、千葉市立学校を除く公立学校の児童生徒454,071人と職員45,580人。調査期間は2025年12月1日から2026年1月31日までで、児童生徒は県教委作成の動画を視聴した後、アンケートに回答した。
児童生徒への調査では、回答者414,373人のうち、教職員からのハラスメント等や不適切なかかわりがあったと答えた人数は計3,390人だった。内訳は、セクハラ613人、パワハラ2,321人、体罰411人、教職員とのSNSによるやり取り13人、教職員の車への同乗32人。校種別では、小学校が2,321人、中学校が624人、高等学校が385人、特別支援学校が60人だった。
職員への調査では、回答者43,020人のうち、教職員間でハラスメント等があったと答えた人数は計710人だった。内訳は、セクハラ104人、パワハラ552人、マタハラ等54人。回答例として、身体への不必要な接触、容姿等の身体的特徴を話題にする言動、人格を否定する言葉、子育てを理由に休暇を取得した際の否定的な反応などが挙げられている。
今回の調査で重要なのは、集計方法の変更である。千葉県教委は、調査名を従来の「セクシュアルハラスメント等及び体罰に関する実態調査」から「ハラスメント等に関する実態調査」に改め、調査項目を焦点化した。令和6年度までは、学校が調査用紙を回収した後、児童生徒への事実確認などを行い、事実が確認できなかったものを除いた数を公表していた。令和7年度は、児童生徒が記載した申し出の件数をそのまま公表したため、前年の数字と単純には比べられない。
人権上の論点は、学校内の力関係にある。児童生徒は、教職員から評価、指導、進路、部活動などで影響を受ける立場にあるため、不快だと感じた言動をその場で拒むことが難しい場合がある。セクハラ、体罰、暴言、私的なSNS連絡、車への同乗は、内容や状況によって重さが異なるが、いずれも学校が早期に把握し、子どもの安全と尊厳を守るための確認を行う対象となる。
県教委は、今回把握した申出について、各学校又は服務監督の教育委員会が面談等を実施し、必要に応じて対応したと説明している。そのうえで、新たに把握したハラスメント等の相談について、懲戒処分に該当するものはなかったとした。匿名のため詳細確認ができないケースもあり、「いろいろ聞かれたくない」「不当な扱いをされるのではないか」といった申し出者側の不安を踏まえ、調査方法の改善を検討するとしている。
今後の対策として、県教委は相談窓口の周知、初期対応フローや専門家の協力を得た調査体制の充実、「教職員の服務に関するガイドライン」の活用、「不祥事の未然防止に向けた自己分析シート」による点検を挙げた。SNSのやり取りや車への同乗についても、不祥事に発展する可能性があるとして再度周知する。令和7年度調査の3,390人という申出件数は、千葉県内の各学校が日常の指導、連絡手段、相談対応を見直すための基礎資料となる。
千葉県教育委員会「令和7年度ハラスメント等に関する実態調査の結果について」
URL:https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/syokuin/press/2026/r7chousa.html

